オートマ・オブ・ザ・デッド
ニート
第1話
この世界は崩壊した。もう二度と元に戻ることはないだろう……そう、やつらが蔓延っているのである。
やつらがいつそういわれる存在になったのかははっきりとはわからない。けれどいつの間にかなっていたのは事実だ。
もうここに逃げ場はない、こうやっていられるのも時間の問題だろう。せめてまともな移動手段があれば……近くに車は難題も捨ててあるのだが
残念ながらこいつらは全部オートマチック車なのである。つまりどういうことかというとこれらは簡単にあいつらにも動かせるためもうあいつらがみんな
乗り回しているのだ。だからどうしてもクラッチの付いたモノを探すしかないのだが……あっ! あれはもしや、蛇腹のシフトノブがついた4トントラック……
もしやあれは……そう思った俺は矢も楯もたまらずそれに向けて走った。幸いカギはハンドルのところに置いてあった。ドアを素早く閉めるとあとはクラッチを
踏んでからキーを指しこんで回した。
ブルルブロロォオオオオオオオオオオン!!
やった! エンジンがかかったぞ。これでなんとかここから脱出できるかもしれない。そう思った俺はギアをニュートラルからセカンドに入れてブレーキを離し、
そしてゆっくりとクラッチペダルを踏む力を緩めていく……ここだ!! そのタイミングで足を止めたその時だった……ブウゥゥンッ…… キィイイインッ!!
「うわああああぁあ!!」
いきなり目の前にライトが照らされたかと思うと大きなクラクションの音とともにけたたましい音が鳴り響いた。それはそうだ、奴らに見つかってしまったんだ。
慌ててアクセルを踏み込むもののもう遅かった。奴らの一台が俺に向かって突進してきたのである。
ガッシャァアアンッ!!! ドッドッドッ…… 俺はそのまま跳ね飛ばされてしまった。体中に痛みを感じながらもすぐに起き上がろうとするも体が言うことを聞かない。どうやらどこか骨折してしまったらしい。
痛む体を引きずりながら何とか車の外に出たもののそこで力尽き倒れ込んでしまう。だがまだ死んではいないようだ。このままでは間違いなく殺されるだろう。
だがそれでも体は動いてくれない。そうしているうちにまたも別の車がこちらへ向かってきた。
(くそっ……ここまでなのか)
そうあきらめかけた時だった。
ズババババッ!! 突如として空から何かが降ってきたかと思うとその車は見事に大破していた。一体何が起きたというのだろうか? すると今度は頭上から声が聞こえてきた。
「おい、大丈夫か?」
見上げるとそこには黒ずくめの男が立っていた。
俺はこの男に助けられたのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます