第4話


 実家に帰り嫌な報告をした、そんな日から3日が経過する。いや、今はまだ3日目の午前中だけどな。メイサリスは実家の小姑らしき者達に預けたので、そこで只々翻弄された日々を送っている。俺はと言うとこの大森林の麓へと日々通い修行を続けていた。


 まあ、女神様の言う様に簡単に強く成れたりしない、そこは当然だろう。

それでどんな修行なのかと言うと、森の中を闇雲にに走って接敵を繰り返し撃破する。[空間範囲探知]で相手をキャッチしたら、ギリギリの間合いで相手を観察しつつそこからの攻撃だ。


 それもちょっとした誘導で俺的な雑魚に、襲い掛かってくるそいつの目先へ[空間断絶]を設置すれば完了でっす。相手は自分の勢いでスバットあっさり成仏しちゃうからな。


 それの説明はシンプルにあった、設置とは置くだけ・・だから止まってる相手はスパンとは切れないので、動きを予測したり誘導させてからの設置な罠、だから使い易さはそこそこの微妙だろうか?そこから一気に倒した相手に向かって走り、さっさと[ストレージ]へと収納的な回収をしている。


 それから直ぐに回りを索敵し、次の獲物を求めて移動を繰り返している。何だかんだで[ストレージ]には、10体の魔物が収まっている。[ストレージ]も変更しておくか。初級の空間魔法なら割と知られているマジックBOXがあり、中級ならアイテムBOXになるらしい。


[ストレージ]ばやばそう・・人間本体にお付きのモノだから、盗られるじゃなく脅迫や誘拐云々に成りそうじゃない?ストレージと唱えずにアイテム・・誤魔化しで何とか成って欲しい。


[アイテム①][アイテム②]とこの2つを使い分けよう。①でも倉庫並みの広さはあるが、②は容量が無限らしいので何処に何が有るのかを探すのが大変なんだよ。


 物の名前が解れば直ぐに見つけられるけど、食品やら生物・・肉だのの検索なんて、急ぎの時は全く役に立たないからな。今日のトレンドは俺だから、メイサリスの下着が最上位・・そこもダメすぎだな。あとは、[空間範囲探知]の使い方も聞いてるけど微妙。


でもそこはお約束があって、使えば使う程に便利に成るから使いなさいと。俺の仕様に魔力不足の問題は無いから、徹頭徹尾に使いまくるよ。朝・昼・・夜は別の何かかもしれないが、継続して使ってます。喜ばれてると思いたい。






*何処かの神域らしい所


「・・もし・・もし・・・もしもー・・もしもぉしー。意識をしっかりと」


―――白い・・顔!近過ぎて天井が見えねえようぐぅ!―――


「ほう、フライングエルボーでもまだ余裕か?こいつはもう少し締めておいた方がいいか?」


「ちょっと、いきなり何くれてんですか。ぼや~んとして何処が何処だか解んない魂にそれって、貴方の絵面がおかしな人に成ってますよ。人じゃないけど」


「こいつが変な事考えてたんだよ。そこはアルアルで頭中丸わかりは常識じゃないのか?」


「・・はぁ~歩きスマホで躓いて、死にかけな人に常識なんてないでしょ」


―――・・おふぅ、思い出したぜ。間違いなくそこで躓いたのは覚えてる。あんときは・・なんか超固そうな大理石みたいな階段の角が面前にぃ・・うん、死んだなこれ―――


「まだだ、簡単には死なん」


―――えぇー何それ。集中治療室でウンウン唸ってるのはちょっと・・一月100万くらい掛るらしいって聞いたよ―――


「はい、一旦落ち着いて下さい。貴方はえっ?やば?状態で現世では止まってます。上手く逃げれば助かる・・そんな人がここに来るのです。爆弾とか大きな交通事故とかは、どんなに足掻いても無理ですから、そのままおっ死ぬのです」


―――ヘビィだなおい―――


「上手くやれば軽症で・・後の人生も続けられ・・死にたいのならポイって現世も捨てれますよ」


―――捨て猫や捨て犬じゃないんだからポイって・・上手くって何?―――


「こちらが提供する世界で、頑張って善行みたいな徳を得るみたいな」

―――・・えっ?宗教なの?悪徳的創ぅおおおネズミこうみたいな・・やばいやうぐぅ―――


「私のフライングヒップを甘く見ないで下さい」


「・・技なのかそれ?こいつはある程度弱らせてから従属させろよ」


「方向性が違いますよ。最近ポンポンと死ぬ人が多くて遣り繰りが大変なのです。戦争やテロや政府の怠慢・・あれですよ、色々な試行錯誤を経て貴方が階段の角に鉢合わせする前に、奇跡的な何かを授けられたらいいなー的な意味です。身体強化や速度100倍とか」


 それが軽い話の割りには、凄い大変な内容だった。最早、怒涛の試練じゃないのか?選んで行った世界で、人生を掛けて善行を築くわけだ。その終焉で成果が問われる。それでもまあ、数多ある世界を選べるとの事だから、かなり熟考して選ぶ事にした。


選べるって最高!ポジティブじゃなきゃ遣ってらんない。ポジションがヤバいけど。


「・・中々難しいですね。平和だった現世みたいな所では、余程なことが無いと大成はしませんから、低文明の異世界ゲームをオマージユしているのが殆どです。なのにハーレムは外せないとか・・平民ハーレムは疫病で没・・性病で没・・ああ、これは・・チュートリアルで没」


―――あああ・・死んでますやん―――


「・・ふう、ハーレム検索の7割が貴族派閥で没」


―――・・ハーレム・・―――


「死因は痴情の縺れ判定。殺意では無く愛情表現で寝ているまにさっくりと」


―――・・ハーレム・・―――


「この戦いが終ったら、みんなと結婚式を挙げるって言ってた勇者はドラゴンブレスで消し炭・・ですか。勇者って魔王にしか強くないでよね・・あっ!覚えてますよ。召喚設定で勇者を選んだ人。勇者とハーレムはお約束とかなんとか。えーと査定不足で現世も即死・・童貞のまま逝きましたか。なむなむと・・ふむ。刺しつ刺されつの方が気持ちを良くした分は得してますね」

「いつでも何処でも遣りたがるから、遣られる訳さ。摘出済の奴・・おネエにしてもいい」


―――・・ハーむむむむ!―――


「ありゃりゃ、この人のせいで、預げれるスキルが大幅に制限されましたか・・ほうほう3つですね。閣議決定とか聞いてないよ!ちょっとイラッとした」


「何言ってんだ、社内閲覧がどうとかって、回ってただろ。私もムカついたから印は押さなかったけど」


「だっからこっちに回らなかったんじゃない、ムキー」


 この状況はちょっと・・薄色ピンクのネクタイをした、優しい言葉使いの女神様を優先して話を振ろう。


「お前の神は死んだ」「あらあら、良いのを選んであげますからね。魔王退治行っちゃう?行っちゃうかい?スキルが非凡だけど」


「四天王にすら届かないな」


―――・・ハーレムいりません。無難なのをお願いします。今度は知識チートに・・―――


「・・知識・・記憶は残したいと。まあいいでしょう。たいしたスキルは選べないのですよね・・この表から選んで下さい」


―――魔法・・一番上に書いてある魔法で。1つ目が・・―――


「魔法選別の一番上は選べるモノではなくて、その下の各属性から」


―――その表からって言ってましたよね、言ってたと思いますけど―――


「・・まあまあ、仕方ないですね。でも言って置きますが、魔法は何でも使えるけど、使える魔法は現地で覚えないといけませんから。他には」


―――魔法は魔力が無いと使えないですよね。良く転生や召喚だと魔力が特大とか無限とか・・―――


「人族の最大としましょう」


―――種族の平均からするとどの辺になりますか?下の方だと直ぐ死にそうなんですけど―――


「・・譲歩しても種族の平均ほどです。下級のドラゴン位ですね。人生を終えるまで合わないかも知れませんが・・魔力もスキルカウントにしましたので、残りは1つです」


「おっ!全部丸め込まれるかと思ったよ」


―――・・表の下欄の方に有る空間属性にしたいです―――


「・・敢て空間魔法にしなかったのは、どんな理由があるのですか?」


―――その空間魔法を選んだのなら、向うで最初から学ぶ必要があるのかと。その下への枝分かれから、属性の最上に空間属性が有りましたので―――


「残念でしたね。属性の最上級より上に、特別な魔法はありません。ですが、空間魔法の最上級を与えましょう。使い方は別料金となりますが」


―――有料とか聞いてねぇし!ただの魂に、そんな禁欲を語るなよ。でもでも、ここで諦める選択はないらしい。いやあるのか?現世に戻って階段に突貫なら・・こっちで直ぐに死んでも、少しでも善行を積めば状況は上向くんだって―――


 (しかし・・他人の人生の総集編はどうかと思うよ。幸せサイドに蹴れないとか、審判に問題があるんじゃないか?ルートの設定がおざなりに感じます。いや解ってますよ、選べる人生だから欲だらけで不幸を引くのも。

 ハーレムルートは全滅かと思う位に破綻する奴が多かった。欲の掻き過ぎだと解るけど、嫁さんを食べさせるのに稼がないといけないからな。多妻の嫁たちが子を多産したら、余程の収入を得られないと破綻する。

 まさに悪循環の人生路線だわ、選んだのが本人だけど可哀そうに思った。それ以外のルートは中々にしょぼい、領主転生なんて民を救っても当たり前だから善行にもならん。戦争ルートで武勲を沢山上げればそこそこな善行が得られるけど、殺伐の渦中に突っ込めるスキルは貰えないのだよ。

 短命確定じゃねえか、確変でフィーバーも夢なんだぞ!持ち球数も決まってるから、そのままスッちゃうだけじゃん。端数の球でもチョコレートは貰えないよ。カードに貯めれるのかな?駅ナカモーニングは行けてないし。

 スキルは3つか・・魔力をスキルカウントされたのが痛いですう。俺の揚げ足取りで自滅するとは思わなかった。口は災いの元・・それって仏教じゃない?神なら信賞必罰かな?まだ何も遣れてないけど。

 遣れてないのに罰を受けるとはこれ如何に)


「こいつは直ぐに帰そうか」


―――拾って来た訳じゃ無いのに元へ帰そうとするのはおかしいです、動物愛護精神は無くさないで頂きたい。お話大事、何事も解り合う所から始まるじゃないですか。それこそ総合理解が平和な未来を築くと思いたい。力では無く歩み寄っていかなければ、その光明が見つからないかと―――


(まだまだ交渉したりないけど、一通りを確認したからにしよう。どこかで逆転の目があるかも知れないから。

 あー後悔しか湧かない、新作コミックが読みたくて歩きスマホしちゃったからな。しかも見ずらかったのに。

 自宅でPCから見れば、気楽に茶をしながら快適画像が約束されてたんだよ。あいまのエロも問題ナッシング!部屋こもりだから何でもあり!

 だが今更だ・・ただのたましいは何かのカタマリ状態だから、良く解らない欲望が沸くのも不思議なんだけど。

そんな魂の俺に攻撃が出来てる不思議もある、まさに何でもt@あったりしてるな)

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