3.「トランスジェンダー」産業を操る大富豪。

ずっと私は違和感を抱いていた。


なぜ、当事者でさえ聞き慣れない「LGBT」という言葉が、たった数年でここまで広まったのかと。


何しろ、メディアも政治も、LGBT、LGBTと必死だ。今もなお、「それっぽい」ビジネスやサービスがポコポコと生まれ続けている。


同じ疑問を抱く人はアメリカにもいるという。


ここ十年間、欧米諸国では異常なことが起き続けてきた――女子トイレが廃止され、女性スペースが侵掠され、越境性差トランスジェンダーになる子供が次々と生まれた。それに異議を唱える人は、「差別主義者」のレッテルを貼られて集団リンチされている。


どのような運動も唐突には広まらない。同性愛者の運動にしろ、元々は何十年にも亘る地道なものだった。ところが、「LGB」に「T」や「Q」がついた途端、それは巨大な流行ムーヴメントへと変じた。


――なぜこんなことが起きたのか?


実は、LGBT思想で利益を得るために巨額の投資をした富豪がいるのだ。その金額は少なくとも四億二千四百万ドル(約六百億円)にも上る。


そう言うと、「そんな商法で元が取れるのか?」と思う人もいるだろう。


むしろ安い方である。何しろ、性別を変えるのだ。手術は一度では終わらない。性器を作り替え、胸の形を変え、喉仏なども取り、望むのならば顔も変える。しかも、男性ホルモンや女性ホルモンは生涯を通じて打ち続けなければならない。


そんな「金づる」と呼ぶべき人が増えるのだ。


リュープロレインの売り上げだけでも、既に七億ドル(八百億円)もある。


"The American Conservative" 紙には、『LGBT非営利団体と億万長者の出資者パトロンが世界を変える方法』という記事が載っていた。

https://www.theamericanconservative.com/articles/how-lgbt-nonprofits-and-their-billionaire-patrons-are-reshaping-the-world/


記事を書いたジェニファー゠ビレック氏は、元々、左翼フェミニストだった。しかし、二〇一三年に性自認主義を批判してバッシングを受ける。以来、"The American Conservative" や "The Federalist" などの保守系雑誌に寄稿するようになった。


ビレック氏は言う。


「現在、LGBTの旗の下で進められている最も狡猾な発想は、"Gender Identity" という不確かな概念である。Gender Identity とは、社会的に構築された性役割の固定観念に照らし合わせ、自分自身をどう見ているかを指す。」


「"Gender Identity" や『越境性差トランスジェンダー』のイデオロギーが西洋文化に登場し、まだ十年も経っていない。しかし、まるでサーズや新型コロナの大流行のような勢いで世界中に広がり、同じような大惨事を引き起こしている。それでも、言語・法律・医療・犯罪統計・女性の安全地帯・スポーツ・業績・教育機会・健康な子供の体の医療化・幼稚園のカリキュラムなど――我々が見てきた付随的な大変化は、草の根的な運動で起こされたものではない。」


「むしろ、その逆である。彼らは、巨大な製薬事業に動かされてきたのだ――この過激な思想の恩恵者に投資する億万長者の慈善資金によって。越境性差トランスジェンダーや Gender Identity の運動を支える重要な慈善家の多くは、身体違和や人間の性の医学的な一致を商品化することで莫大な利益を得ている。」


では、どのような人々が投資しているのだろうか。


箇条書きにしてゆけばこうなる。


【ジェニファー゠プリツカー】

プリツカー家は、アメリカで常に十以内に入る富豪の一族だ。ジェニファー自身、十八億ドルの純資産を持っている(二〇一五年には全米1054位だった)。また、企業買収法人・スクワドロンキャピタルの持ち主でもあるが、これは医療技術・医療機器・整形インプラントなどを対象としている。


いわゆる「トランスレズビアン」であり、今まで三人の女性と結婚した。


ジェニファーは、ミネソタ大学の人間セクシュアリティー学部の指導委員会メンバーである。この大学には、六百五十万ドルも寄付している。


また、患者を四百人も抱えるジェンダー病院・ルーリー子ども病院、シカゴのヴィクトリア大学とトロント大学のトランスジェンダースタディー学部、左翼市民団体 American Civil Liberties Union などにも投資している。


ジェニファーが経営する「タワニ財団」は、ジェンダーやセクシュアリティのための慈善事業である。


なお、ジェニファーの従妹であるペニー゠プリツカーは、オバマ政権で商務長官を務めた人物だ。大統領選挙のときには数百万ドルもの選挙資金を援助した。オバマが当選できたのは、ペニーのお陰だったと言っても過言ではない。


オバマの政策にはペニーが大きな影響を与えている。


公立学校のトイレに女装男が入れるようにしたり、パスポートの性別変更を簡単にできるようにしたり、軍事病院でホルモン治療を受けられるようにしたりするなどの政策を行なったのはオバマ政権だ。


【ジョン゠ストライカー】

数十億ドル規模の医療企業の後継者であり、ゲイである。二〇〇〇年には、マンモス級のLGBT非政府組織・「アーカス財団」を設立する。


この団体は、毎年、何百万ドル規模の慈善事業を展開してきた。思想指導者オピニオンリーダーを作ることにも熱心で、政治活動・教育・公民権運動・トランスジェンダー法などの分野で人材を育成し、性自認思想を広めてきた。


「アーカス財団」は、LGBT活動への世界最大の出資者でもある。二〇〇七年から二〇一〇年の間だけでも、LGBTQ関連の団体や運動に五千八百四十万ドル以上も寄付をしている(現在はそれをも上回る)。ジョン゠ストライカー自身も、三千万ドル以上も同財団に寄付をしているという。


アメリカ最大の心理学者団体・米国心理学会も「アーカス財団」から資金提供を得ている。


二〇〇五年、米国心理学協会は、性的指向や「多様な性」を持つ人々の福利厚生を向上させるための教育ネットワークを設立する。当初、このネットワークは、「LGB」の問題のみに焦点を当てていた。


しかし、「アーカス財団」の資金が入り、「多様な性」が Gender Identity に変わる。二〇〇八年には、「Gender Identity と性別多様性に関する特別委員会」が設立される。二〇一五年には、越境性差トランスジェンダーやノンバイナリが「文化的に有能で、発達的に適切で、越境を肯定する心理学的実践」を支援するガイドラインを作成した。


「アーカス財団」の助成金は、アメリカやアフリカの黒人連合・ラテン系組織・アメリカ先住民団体・青少年の団体・軍隊・公共放送ラジオなどにも送られている。その中でも、トランス基金に力を入れているアストレア基金に多くの資金が提供された。


プリツカー家と「アーカス財団」は、コロンビア大学・エール大学・ヴァンダービルト大学・シカゴ大学・南カリフォルニア大学・ワシントン大学などにも数十万ドルの寄付を送っている。


二〇一五年―― 「アーカス財団」は、億万長者であるピーター゠バフェットが運営する慈善団体と共に、トランスジェンダーの活動に二千万ドルを当てたという。


【マーティン゠ロスブラッド】

こちらも「トランスレズビアン」で、不動産屋の配偶者がいる。バイオテクノロジー企業・ユナイテッド゠セラピューティクスの創設者であり、取締役会長。二〇一八年に経営者である。


ロスブラッドは、身体から性別が分離する感情は正常だという文書を世界で初めて作成した。後に、これは「国際ジェンダー権利章典」となる。またロスブラッドは、性別二元論は南アフリカのアパルトヘイトと同等の差別思想であると主張している。


他にも、ジョージ゠ソロス(イングランド銀行を潰した男)、ティム゠ギル(ゲイ)、ドラモンド゠パイク(実業家)、マーク゠ボンハム(ゲイ)などが、様々な慈善団体を作って財産をつぎ込み、トランスジェンダー運動を支援している。

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