4.トランスジェンダーとは何か?
性同一性障碍と何が違うのか?
多くの人が気にかかっているだろう。
簡単に言えば、医学的根拠があるのが性同一性障碍で、なくてもいいのが
「性同一性障碍」は医学用語である。だからこそ診断基準が存在する。例えば、身体に違和感があるだとか、性別適合手術を望むだとか、その意志が持続しているだとか、統合失調症などの精神障碍の可能性がないだとかだ。そして行われるのが治療――ホルモン投与や性別適合手術などである。
つまり、性同一性障碍とは「違う性別へと身体を変えたがる症状」だ。
この症状のある人や、身体を変えて症状を消した人は、「
一方、「
こちらは、医学用語でも何でもない。
簡単に言えば、男らしくない人や女らしくない人の総称だ。性自認・性格・服装など、何か一つでも
「総称」のことを英語では
【挿図:アンブレラターム】
https://kakuyomu.jp/users/Ebisumatsuri/news/16816927861310437373
見ての通り、「
つまり、女装しただけでも「
「そんな馬鹿な」と思う人がいるかもしれない。しかし、これは国際連合が提示した定義でもある。
"Transgender (sometimes shortened to “trans”) is an umbrella term used to describe a wide range of identities whose appearance and characteristics are perceived as gender atypical —including transsexual people, cross-dressers (sometimes referred to as “transvestites”), and people who identify as third gender. "
「
https://www.unfe.org/definitions/
「ジェンダー」という言葉には様々な意味がある。多くの人が知るのは、「社会的・文化的に作られた性差」だろう。一方で、英単語の gender には「性別」という意味もある。
「gender とは
性、(人の)性、性別、ジェンダー」
https://ejje.weblio.jp/content/gender
この言葉を作ったのは、ヴァージニア゠プリンスという男である。
プリンスは、一九一二年・カリフォルニア州のロサンゼルスに生まれる。女装を始めたのは、およそ十二歳の頃からだ。二度の結婚と離婚を経験したが、一度目の離婚の原因は彼の女装癖だった。
二度目の離婚の後は、会社員として働く傍ら、「シュヴァリエ」という小さな出版社を作る。そして、女装する異性愛者のための雑誌『トランスヴェスティア』を刊行した。
プリンスが「
プリンスが定義した「
すなわち、元々は性自認さえ無関係だったのだ。
それがいつの頃からだったのか――
最初、自分のことを「B」だと私は思っていた。ところが「B」と言うには違和感がある。やがてⅩジェンダーという言葉を知ったので、それならば「
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