3.同性愛者による両性愛者差別。
同性愛者による両性愛者差別があるという。
ただし、そのような差別を私は見たことがない。
それでも、あるという。
このことについて、朝日新聞デジタル編集部が記事を書いていた。
『味方がいない!バイセクシュアルの孤独 セクマイからも「ウソつき」』
https://withnews.jp/article/f0180403003qq000000000000000W03j10101qq000017109A
記事では、両性愛者に対して同性愛者が持つという偏見が紹介されている。曰く、「本当は同性愛者なのに、体面を気にしてウソをついている」「どっちつかず」「
記事では、同性愛者による声も紹介されていた。
「レズビアンの立場からすると、優柔不断な存在に感じられる。結局異性と結婚するまでの火遊び、酒の肴(さかな)にするために経験しておこうとしかレズビアンを思ってないのでは?と思ってしまう」(20代、東京在住、レズビアン)
「セクマイの中で疎外感を感じている人が多い。そのためバイだと言わず、レズorゲイだと答える人が多い」(20代、九州在住、レズビアン)
――疎外感?
「両性愛者であること」による疎外感など私は抱いたことがない。そのような空気を感じ取ったこともない。あるとしたら、性自認の違いによる疎外感だ。
だからこそ、この記事には首を傾げてしまった。
しかし注意深く記事を読むと、男性当事者の声が取り上げられていないことに気づく。
先に述べた通り、レズビアンとゲイでは事情が違う。
ゲイの場合、相手が同性愛者であろうと両性愛者であろうと――さらに言えば異性愛者であろうと――、性慾さえ満たされれば文句は言わない(異性愛者であることを公言して売春している者や、火遊びであることを明言して相手を求める者もいる)。
一方でレズビアンの場合は、ゲイのようにはいかないはずだ。
両性愛者差別について、知人のレズビアンはこう語った。
「女性は、精神的なつながりを重視するからね。
それでも、レズビアンの中でも両性愛者への偏見は薄まっているという。
また、両性愛女性の一人はこう言っていた。
「女性の場合は、子供を持ちたいと考える人が多い傾向にあると思います。なので、子供を産むために――男性と一緒になるために――別れるっていうパターンはよく聞きます。」
これは私にはない視点だった。
相手が両性愛者だと、男性に取られるかもしれないという危機感を抱いてしまうのではないか。
ゲイの場合、恋人同士で長く付き合う人が少ない。大抵は一夜の関係だ。だからこそ、相手が両性愛者だろうと異性愛者だろうと気にしない人が多い。端的に言って、その人の続柄や将来に無関心なのだ。
また、別の両性愛女性はこう言っていた。
「男性よりも、女性の方が同性愛に抵抗がないじゃないですか。だから、男性と経験する前に女性で試したいという人はいますね。そうして、踏み台にされるんですよ。」
このあたりも、ゲイは気にしない。繰り返し言うが、性慾さえ充たされれば文句は言わない。
両性愛者差別について、知人のゲイたちにも尋ねてみた。すると、「ゲイは薄い」「ほとんどない」という予想通りの回答があった。ただし、女性嫌悪が強い人の中には、両性愛者を嫌悪する者も稀にいるようだ。
そもそも、両性愛者だと分からなければ差別しようがない。
同性愛者の中には、
ちなみに、「異性愛者からの」両性愛者差別は一度だけ見たことがある。
ツイッターでのこと――とあるWEBライターが、森奈津子氏(レズビアン寄りの両性愛者)に対して「同性愛をファンタジーとして消費している人間」「異性愛よりのB」と攻撃していたのだ。
森氏はこう反論した。
「私はこの世から男性が一人もいなくなってもまったく困らない、レズビアン寄りのバイセクシュアルですよ。LGBTの中ですらBが差別されているのを、あなたはそうやって強化するのですね。あるいは、その事実を知らないのですか? そんなふうにセクマイの味方ぶっているのに?」
https://twitter.com/MORI_Natsuko/status/1430871073017393156
返って来たのは暴言だった。
「刀剣乱舞が大好きな腐女子で既婚者の女がこれ言ってるのめちゃくちゃ面白いな。」
「まぁ自分の主張は『同性愛は決して理想郷なんかじゃない。ヘテロの恋愛と何も変わらない苦しみがある』というものですんで、森さんと自分のどちらが差別主義者かについては、これを読むみなさんのご感想に委ねます。」
「ついでに言うとBが嫌われるのはアンタみたいな観光客のなんちゃって当事者が幅利かせてるからやろ。」
https://twitter.com/akihiro_koyama/status/1430874835031248901?s=21
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