第二章〜異変〜
日記の半分くらいのところで、私は少しおかしいと思い始めた。
『20××年 10月12日
今日、思いっきり頬を殴られた。痛い。』
リョウマは女に殴られたくらいで痛がるわけない。
この前2人で道を歩いててDQNに絡まれた時も、リョウマはDQNを返り討ちにした。そんな強いリョウマが女の暴力を痛がるわけない。
…ってことは何?心が痛いってこと?リョウマはこの娘に殴られて…凄く傷ついたの?それほどこの娘が好きになってたの?
もう過去のことなのに…
リョウマの今の彼女は私なのに…
私は向きになって日記のページをめくった。
『20××年 10月21日
最近本当に暴力がひどい。身体中アザだらけ。付き合い始めた時は優しかったのに。』
…?!暴力が…ひどい?いやでもリョウマは女なんか…
ここで私はようやく気が付いた。
この字は…リョウマの字じゃない…
この日記は…リョウマが書いたんじゃない…
元カノが書いたものだ…
よく考えたらそうだよ。表紙のタイトル、別れたからってわざわざ書き直すなんておかしい!なんで気づかなかったの私…
リョウマが暴力男だったなんて…
ショックだけど、私は続きを読まずにはいられなかった。
『20××年 10月31日
私のことを閉じ込めたいと言い出した。私のこと、人形だと思ってるのかな。』
束縛…?!閉じ込めたいって…監禁?!
怖い…この娘どうなったの…?
『20××年 11月15日
私を閉じ込める為の檻があるらしい。さっきから通知音が鳴り止まない…』
『20××年 11月22日
ケーサツに言えばあの事をバラすと脅された。あの事だけは誰にも知られたくないから言う通りに監禁されるしかない…』
あの事…?一体何が…
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