第2話倉持は立つ
倉持は女性に興味がないわけではない。
そもそも、理性や制約によって抑制をしているだけである。
むしろラッキースケベ体質等がなければ、普通に女性との交際も経験もしていたことだろう。
当然倉持のムスコも正常に反応する。
ぶっちゃけ、大体毎回、起っている。
特に接触に反応しやすい。
視覚的な刺激は慣れてくるが、触った時の感触には慣れることがない。
これが、シェアハウス内であれば、逃げ場はいくらでもあるのだが、職場ではそうもいかない。
倉持は証券会社に勤めている。
営業部門に配属されており、若手の稼ぎ頭である。
基本的に年配や男性相手の営業を行っている。
毎日の詳細な情報収集、それを分かりやすくまとめる力、そこからの的確かつ堅実な予測によって、顧客から多大な信頼を得ている。
いわゆるVIPやSVIPと呼ばれる資産家の担当もしており、様々な投資助言を行っている。
また、彼は後輩への指導を行ったり、経理部門との仲介を行ったりもしている。
青野「倉持せんぱーい… また、お客様に怒られちゃいましたー」
倉持「…今度は一体どうしたんだ?」
青野「慌てて、銘柄の名前を何度も間違えちゃったんですぅ」
倉持「あー…それはまずいな。 商品名を正確に把握できていないのは信用を失うぞ」
倉持「まあ、ソフ○バンクやソフト○ンクグループのように、ややこしいものもあるから、間違えるのは仕方ないけどな」
青野「ううー そうなんです」
倉持「例えば、メモ帳に、話題になっている銘柄名を書いておくとか、問い合わせがあったら、銘柄名をコピーして検索しておく癖をつけると、ちょっとよくなるかな」
倉持は平静を装っているが、この時、青野は前かがみで真剣に話を聞いているため、倉持にはばっちり谷間が見えている。
倉持はなるべく目に焦点を合わせるように努力しているのだ。
青野「なるほど! ありがとうございます! とりあえずメモや検索作戦をしてー なるべく早く覚えるように頑張ります」
青野は勢いよく顔を上げて、敬礼のポーズをとる。
倉持「ああ…がんば…」
倉持の言葉は、青野のボタンが直撃したことにより、妨げられた。
青野「ああ、ごめんなさい。 先輩…あ…あ…あ、ボタンが… 先輩、失礼しますね」
青野は倉持の足元に転がったボタンをとろうと、倉持のデスクの下に身体を入れる。
倉持「お、おいちょっと」
青野の巨乳の感触は倉持の大腿骨にまで及ぶ。
柔らかく温かな感触が倉持の下半身を支配する。
青野「んー…んー もう少しです」
倉持は自分が動けば早いことは知っていた。
だが、動けない事情があった… ムスコがたっているのだ。
立ち上がれば、すぐに分かってしまう。
青野「取れましたー… 先輩すみませんでした」
倉持「あ…ああ」
倉持は青野に100円渡した。
青野はぽかんとしているが、次の瞬間顔を赤らめて、自席に戻った。
倉持(ふー)
赤井「倉持さーん」
倉持(一難去ってまた一難…)
倉持「どうしました赤井さん」
赤井「いやー 倉持さんにいうことじゃないんですけどね。 営業二課の緑谷さん? 最近入社した人なんですけどね。 まだ、証券外務員の登録が済んでないんですよ」
倉持「おおう… それは部長に言ってほしいんだけど…」
赤井「ええー いやー ははは… 頼んだ! 倉持さん」
倉持「おい 面倒ごとばかり押し付けて!」
赤井「まあまあ、同期のよしみってことで、お願い! 部長今日不機嫌っぽいし」
倉持「…分かったよ まあ、ついでもあるし言っておくよ」
赤井「サンキュー 助かったー」
赤井は倉持に近づこうと足を進めた。
その先に、先ほど青野が回収し忘れていたボタンが落ちていた。
赤井はボタンを思い切り踏んで、バランスを崩して、倉持に向かって倒れ込む。
倉持は椅子ごと倒れるがとっさに受身をとる。
さらに赤井がどこかにぶつからないように片手で赤井のバランスをとる。
倉持が赤井の安否を確認するため顔を上げると、倉持の眼前に、ヒモが見える。
倉持(…ヒモ! と…)
赤井は赤面ながらガバッと上体を起こす。
赤井「…見た…よね?」
倉持「…綺麗だと思う」
赤井は倉持の股間をたたく。
倉持「うぐっ」
赤井「まあ、これでチャラってことで、よろしくね」
同期ということもあって、赤井は倉持の体質に一番理解がある。
職場での数少ない理解者の一人である。
倉持(ふー…収まったら、部長のところに行くかぁ… 正直あまり部長のところには行きたくないんだけどな)
倉持は素数を数えてムスコを収めてから、部長のデスクへ向かう。
赤井の言う通り、頬杖をついて、眉間にしわを寄せながらPCを眺めており、明らかに不機嫌そうだ。
倉持「部長。 新人指導の件でご相談があります。 少々お時間よろしいでしょうか?」
部長の金剛が顔を上げる。
髪は後ろで縛っているが、顔のサイドに垂れている髪をいつもかきあげる。
目はキリっとするどい、小顔なため、目の大きさが際立つ。
金剛「いいわよ。 早く言いなさい」
倉持「今年はたくさんの新人が入っていますが、皆まだ、自信がない様子です。 採用初期の研修だけではなく、定期研修も必要かと思います。 優秀な青野さんでさえ、まだ、ミスに悩んでいます」
金剛「なるほど、検討するわ」
倉持「それと、もう一件、新入社員の緑谷さんの書類がまだ出ていないと経理部から督促が来ています」
金剛「あー。 緑谷さんねー 実は彼女証券外務員試験二種しか持ってないのよ」
倉持「え…そうなんですか…」
金剛「人材派遣会社は、一種持ちって言ってたのに、詐欺だわ。 採用自体見送ろうと思ってるのよね」
倉持「…けど緑谷さんは応対は普通にできますし、言葉遣いも丁寧です。 一種さえあれば、良いと思うのですが…」
金剛「言ったな? じゃあ、緑谷の一種試験対応はお前に任せる」
倉持「え!」
倉持「期限は半月な。 それと、青野たちの研修も任せたから、資料作成と指導計画…ついでに指導講師もしてもらおうかな? 頼んだ」
倉持「えーと… 拒否権は?」
金剛「あると思うのか? 先週私にあんなことしておいて」
先週ひょんなことから、スマタをしている。
倉持は思い出し勃起をしかけるが、考えをそらすことで、耐えた。
倉持「承知しました…」
倉持はしばらくのスケジュールを脳内で組み立てなおした。
倉持(まあ、2日ほど残業すればいいかな…資料はベースをブラッシュアップして…ただ、結構新人たちも差がついているから、研修は2コース準備して…ついでに緑谷さんにも参加してもらえれば、一石二鳥だな…なんとかなりそうだな)
金剛が赤井にチャットを送る。
金剛チャット「赤井さん ごくろう」
赤井チャット「お安い御用です。 できる人には働いてもらわないといけませんからね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。