第4話

3月1日

瞳が合った瞬間、懐かしい感じがした。


娘、美那の結婚が決まって、相手のご両親と顔合わせの席で、娘の彼のお父様にお会いした瞬間、時が止まってしまった。


奥様がずっと何か話していたけど、何も覚えてないし、顔も覚えてない。


興味がなかった。


ただ、いつどんな時も、あの人の瞳だけが脳裏に焼き付いて離れなかった。



次はいつ会えるだろう。そればかり考えてた。


結婚式も。


あの人のそばに行きたかった。


娘に子供が出来たとき、嬉しかった。


嬉しすぎて、孫の世話が出来ることが嬉しかった。


そのせいで、娘との仲が悪くなった。


娘は孫が小学生になる頃、あちらの家に預けるようになりました。


そしていつの日か、家に遊びに来てくれることが、減りました。


会いたい。あの瞳に。


どうしたら会えるか、考えた。


親族旅行なんてどうだろう、旅行先なら、近づける。


何年もの想いは今後どうなるんだろう。


代金は私が出して、移動も傍に居たいから、クルマ以外で行けるところ。

旅館は、3部屋じゃ足りないかな?


場所はどこがいいかな?


いいこと考えた!近くて部屋に居なくても楽しめるところ。


レジャーランド。

一泊二日2日とも遊べるようにチケットを取った。

孫も楽しめるだろう。


娘にこの話を打診した。

代金出してくれるならとOKもらって、あちらにも話をしてもらった。


代金を出していただくのは申し訳ないと言われたが、全て私のためだから、とは言えないが「遠慮しないでください」と、お伝えしてこの旅行が決まった。


待ち遠しくて、熱が出そうだった。


当日の朝、出発新幹線に乗り込んだ。

家族単位で別々に過ごした。


宿泊するホテルに行ってレジャーランドのチケットを入手。チェックインはアーリーで11時には入れる。


最初こそ家族行動して、みんなでお昼ごはんを食べた。

作戦実行。


たばこを吸ってくると言うタイミングで、「張り切りすぎて疲れたからと部屋で休む」と伝えてみんなと離れる。そして、一人で歩けないから一緒に来てほしいと誘い出す。


電話の電源を切って、、


夕方みんなが遊び疲れた頃合流。


夕食をまたみんなと食べた。


夜はみんなでお酒を飲みましょっとお誘いした。


奥様は孫と遊ぶと言うので好都合。


旦那も孫と居たいと言う。


じゃあってことで、二人きりになれた。


お店で飲んでる振りをして、、


旅行の帰りは辛くて辛くて仕方がなかった。


どうにかして、二人になりたいと考えた。


ふたりで何度も会うようになったけど、何回かに一回はイベントを企画して、家族ぐるみで会うようにして、バレないように過ごした。


私たちはこれからどうなっていくんだろう。

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