第16話 文化祭準備
まずは文化祭の実行委員を決めることになった。生徒会や文化部関係者はそっちが忙しくなると思われるので、それ以外の人で立候補がいればありがたいと先生が言っていた。何か集まりごとがあるわけではなく、クラスの統括をとる立場だそうだ。
せっかくならそういったことにも挑戦してみたいと思ったので、立候補することにした。すると、もう一人には賢斗が立候補した。よく知っている人と一緒にできるのなら、それだけでもありがたいことだ。
さっそくみんなの前に出た。先生も準備の様子を見てくれているが、基本的には自分たちの力で解決していかなければならない。まずは複数のグループに分かれて、企画のアイデアを考えてもらうことにした。その間にオレたちは今後の流れについて紙にまとめてみた。当日までは残り一カ月半だ。放課後かホームルームの時間に準備を進めることになる。だから時間はそんなに多くない。
グループディスカッションがある程度区切りになったところで発表してもらうことにした。ブレーンストーミング方式で、まずは批判等なしですべてのアイデアを出してもらった。
その後はグルーピングの作業だ。重複するものや似ているものは統合してしまい、いくつかのジャンルにまとめた。予算は各クラスで2万円だ。パーテーションや暗幕、映像機材などは借りることができる。予算をもとに実際にするのが難しいものについては除外することにした。
最終的にはお化け屋敷と宝探し、自主製作動画の発表会という3つに絞られた。それぞれのアイデアを出してくれた人にプレゼンをお願いした。どれも熱意あるプレゼンだった。できることなら全部やりたいくらいだが、そういうわけにもいかない。多数決で決めるのが無難だろうということになった。
数分程度の考える時間を設けた後、机に顔を伏せてもらったうえで挙手をしてもらった。その結果、自主製作動画が圧倒的に多かった。違うものに投票した人たちも納得している様子だった。
次は内容をより具体的に決めていく段階だ。カメラ等は複数借りることができる。なので、さっきディスカッションした時のグループごとに動画を撮ることにした。一つの動画につき3分程度で、各グループ2つの動画を制作する。それを4グループで合計8個の動画、約25分になる。
それを30分スパンで流して、教室内に3~4人と出入口に二人ずつ係員として誰かが居ることになる。2サイクル、1時間ごとに係員を交代することに決めた。係員をしていない時は自由に散策できる。
グループごとに分かれて話し合いが始まった。みんな試行錯誤しながら話し合っているようだ。自分たちの力で作り上げることは簡単ではないが、協力すればきっといいものが出来上がるはずだ。
どのグループも少しずつ話し合いが進んでいるようだ。時間配分はオレたち委員が気にしておく必要がある。気がつくと、あっという間に時間が過ぎていた。みんな頭をフル回転で頑張ってたようだ。疲れが表情に出ていた。今日のところはみんな帰ることになった。明日から少しずつ準備を進めていきたい。
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