第四話「拠点を作ろう。ヒロフィッシュ」

効率よくレベルアップをする為に海に罠を仕掛けることにした。まずは細長い紙を三つだして三つ編みをして、紙の縄を作り、紙の縄から紙の網を作る。これで紙の耐久は、少しは上がるだろう。そしてコの字になるように紙の網を張り巡らせる。

端には紙の紐が付いており、紐を引っ張ると入り口が閉まるようになっている。


この方法は、かなりMPを消費する。

今のサメ三郎には、二つしか作れなかった。


(次は寝床っと)

魚は夜中横地面に横になって寝ることはないが、

水草や、岩陰にじっとして回復を図る。

サメ三郎は、水草を噛みちぎり拠点の岩蔭に持っていく。拠点に水草を設置するが、水の勢いで水草がどっかに行ってしまった。


(まじかぁぁぁぁ)


罠を作ったり、水草を運んだりしていたので周りが暗くなり始めていた。

(もう寝るか、)

サメ三郎は目を閉じた。


拠点作成して二日目


太陽の光が差し込む。朝起きて罠を仕掛けた所に向かうが、魚は1匹もいなかった。引っかかった後はあるのだが、網が破れていた。耐久面の問題だろう。

サメ三郎は、3つ網から5つ網に変更して、耐久面の上昇を狙う。じっと待つ事5時間。1匹の魚が近づいてきた。


ゴクンッ。


サメ三郎は、息を潜める。

魚が網に引っかかるのを待つ。


(いけっ、いけっ!)

願いが通じたのか魚が引っかかった。

サメ三郎は、紙の紐を引っ張る。


身動きが取れなくなった魚がバタバタと体を揺らした。


「ぶくぶくっ(鑑定)」



[種族]マッケ

[レベル] 19/30

[ランク]G

HP 120/120

MP 35/35

____________________


鑑定を終え、サメ三郎はマッケに齧り付いた。


『レベルが《1》上がりました。』


(よしよしよし、このままレベルアップしまくるぞー)


拠点生活三日目


朝起きて罠を確認。

2匹の魚が掛かっていた。寝ている間に引っかかっていたらしい。

(いただきます。)


ムシャムシャムシャムシャ


『レベルが《1》上がりました。』

『レベルが《1》上がりました。』


どうやらレベルが2上がったようだ。罠をもう一度仕掛けて辺りを探索する。自分で狩るのもめんどくさくなり、ひたすらブラブラと泳ぐ。何分かブラブラしたら拠点に戻り早めに寝た。


拠点生活四日目

朝起きて、罠を確認した。

今日は1匹だけ、罠にかかっているのを確認。

(いただきます。)

パクリッ


『レベルが《1》上がりました。』


(楽ちん楽ちん)

今日はもっと罠を仕掛ける為に罠の改良を測る。

現在一つの罠を作るためにかかる消費MPは、50。

総MPは、124。罠を多く作るためにには、罠の改良が必須なのである。無駄を省き消費MPを30まで下げることに成功した。罠を4つ仕掛けて、拠点に戻り寝る。


拠点生活五日目

朝起きて罠に掛かってる魚を食べる。

食べたらすぐ寝る。

『レベルが《1》上がりました。』


拠点生活六日目

寝坊して昼に起きる。

魚が三匹罠にかかっていた。

いただきます。


『レベルが《1》上がりました。

LV10達成 SPボーナスを獲得しました。

LVUP報酬と合わせてSP +10。』


(SP振るのはまた今度、おやすみなさい)


拠点生活七日目

朝起きて三匹の魚が罠に掛かっていた。

一匹目の魚を食べ、二匹目の魚を食べよう口を開けた。


「あの〜ちょっと良いっすか?」

二匹目の魚が喋りだす。

「はい?」

どうやら二匹目の魚は魔眼持ちらしい。魚は脳がちっちゃいから魔眼持ちは少ないって聞いてたんだけどなぁ。

「なんで食べるんすか?」

何言ってるんだこの魚?

「レベル上げのため。」

サメ三郎は、答えた。

「なんでレベル上げるんすか?あなた体は小さいけどある程度の力を持っているんだから、それで満足したらどうですか?あなたの体の大きさなら。生きていくには、一匹食べれば満足でしょう。」


(ん〜ー?なんだこいつ?捕まってる状態でこんなに流暢に喋れるもんなのか?)


「海の支配者になるためにレベル上げてます。」


「海の支配者になりたいならー、仲間でも作ったらどうですか?一匹でできることなんて、たかが知れてますよ。貴方みたいなー海の支配者になりたいって言ってる自己主張の強い魚はー追い出されると思いますけど。魚は群れで、生きるんすよ。」


(んーー?最後の一言いる?余計なお世話なんですけど。お前も今一人だからね?

なんで論破されてるの?こいつの魔眼、論破の魔眼?もうこいつと話したくないんすけどー。)


「しかも、強くなるために罠仕掛けるなんてあなた、無能ですね。強くなりたいならー、強いやつ探して戦いに行った方がいいでしょ。正面から勝てないからって、罠使ってても逃げ腰ついて、いざという時貴方使い物になりませんよ。」


サメ三郎は口で勝てそうに無いので、会話を辞めて魚を食べようとする。

「えっとー口で勝てないからってー暴力で解決しようとするの辞めた方が良いっすよ。すぐ暴力で、解決しようとするのってあなたそーとー無能っすね。」


(めーんどーくせぇーーーー。こいつと話してると気が狂いそうだ。逃がしてやるからどっか行かないかな?)

サメ三郎は、網を解除した。


「さっさとどっか行け!」


魚は目をパチパチしながらこう言った。

「あのー、捕獲して逃がしてあげたから終わりって訳じゃなくてー、捕獲された時間あなたに拘束されてたんすよね。あなたのせいでー、私の時間が無駄になったって訳でー、」


(なんだろう。イライラする。)

「魚やるからどっか行け」


網に掛かっている魚を渡すと。へらへらと笑い

「はい!ありがとうございます。」

と言ってどこかへ消えていった。


(なんだったんだあいつ...)


二度と会いたくないので、拠点を放棄して先に進むことを決意した。


戦っていないのに、HPが減っている気がした。

(強さって色々あるんだなぁー)




〜〜〜〜〜〜〜〜

作者レポート。


YouTubeの切り抜き見たせいで、

おすすめから消えない。




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