第一話「魚海賊!マラクマ」


「アルカー 弱いやつって死んだ方がいいと思うよな?」

マラクマは剣を振り上げる。

「はっはい!」

アルカの脚が恐怖で震える。

「じゃぁお前、なんで生きてるんだ?」

勢いよく蹴り飛ばされる。


アルカは地面に手をついた。

「申し訳ございません。マクラマ様のご食事を用意するために、生きております。もう少しだけ生きていたいのです。」


「だったら早く飯持ってきな!俺はお腹が減ってるんだよ!不味かったら承知しねぇーぞ。」


「はい!今日は立派なサメを確保しました。ご満足頂けると思います。」


マクラマがニヤけて笑う

「ほぅ、サメか。そりゃ美味そうだ。早く作ってこいや。」

マクラマは、アルカに剣を投げつける。


「はいーーー!」

アルカは、逃げるように倉庫に向かう。


倉庫の中には、捕虜と食料が置いてある。

「はぁー。ほんと嫌になっちゃうよ。ごめんね。君達助けてあげれなくて。」

アルカは、縛られている捕虜の男に話しかける。

「はっ、仕方ねぇーよ、魚人と人魚どうやっても相容れない存在なのさ。」


腰から下が魚なのが人魚

腰から上が魚なのが魚人、手は付いている。


「人間には、俺たちは高く売れるからな。でも俺漢だぜ。需要なんてあるのかよ。」


「物好きもいますから、、」

アルカは申し訳なさそうに答えるのだった。


サメの入ってる箱を開ける。そこにはサメでは無く

5センチほどの小魚がいた。


「なっ!マラクマ様に黙って、誰かが食べたな。報告しなければ。」

後ろを振り向くと1人のクルーがいた。

ベロンベロンに酔っ払ってやがる。

勝手に酒を持ち出し飲んでいたらしい。


「あの〜サメは、どこにありますか?」

アルカは、ビビりながら話す。


「サメなんかいなかったよなぁ〜。小魚とサメ間違えちゃダメだよ〜」

クルーは、アルカの肩に手を回す。


(はぁ、、なんて最悪な日だ。怒られるの確定だ。殺されはしないと思うけど。マラクマ様は、僕をいじめるの好きだから。)



「ぶくぶくっ」(ペーパーライフル)

紙弾がクルーの股間に当たる。クルーは股間を押さえながら、余りの痛さに気絶した。


「はぁ?」

飛んできた方向に、視線を向ける。

そこには1匹の小魚がいた。



____________________


俺は木箱が開いたのを確認して、勢いよく飛び出した。どうやらここは船のようだ。目の前には、変な魚。腰から上だけが魚、エラのあたりから手が生えていた。


そして大きい魚人に小さい魚人が絡まれていた。


(助けてあげたら海に戻してくれないかな?)



「ペーパーライフル」


小さい魚人と目が合う。どうやら戸惑っているようだ。




俺はその場で跳ねる。

バタバタしていると、小さい魚人が木箱に戻してくれた。


「たすかったーたすかったー。危うく空気がなくて死にそうだったわ。」

この魚人には、ぶくぶくぶくって聞こえているだろう。魚人は目をパチクリさせている。


「こりゃー驚いた。小魚、魔眼持ちか、魚と会話するなんて初めてだ。」

捕虜の人魚(男)が話しかける。


おおおおー、魔眼持ち同士は会話ができる。丁度いい!出してもらえるように頼んでみよう。


「おっちゃん!俺を海に連れてって〜」


おっちゃんは、笑いながら答える。

「そりゃー無理なお願いだ。なんせ俺は捕虜だからな。ホレ、手錠されてるだろ?」

おっちゃんが手錠を見せる。


「おっちゃんは魔眼持ちなんだから、逃げちゃえばいいじゃん。魔眼を使って」


「おっちゃんじゃねぇーよ。まだ名乗って無かったな。俺の名は、ヤラキシだ。俺の魔眼は、そんなに有能じゃねぇーんだよ。"理解の魔眼"物や出来事を瞬時に理解できる魔眼だな。鑑定より、細かく教えてくれるってやつ。戦闘能力は皆無さ」

おっちゃんは手をヒラヒラさせる。


おっちゃんが魚と話しているのを見て、アスレが不思議そうに見つめる。


「もしかして、魚と会話してます?」


「おうよ。こいつ魔眼持ちだぜ!」

アスレは驚いた声を上げる。


「小魚!お前[紙の魔眼]だろ?」

落ちている紙弾を見て判断したのだろう。


「小魚じゃねぇーよ!いずれ海の支配者になる者サメ三郎だ!」ドドンッ


「小魚がサメ三郎って、なんのギャグだよ。海の支配者とは、大きくでたなぁ。まぁ頑張れよ」

おっちゃんは大きく笑う


ピクッ!

(こいつにピストル当てちゃおっかな。やっちゃおっかな)


「サメだったんだよ。木箱の中の魚全部食って、進化して体を大きくして木箱壊そうと思ったら、メダカになっちまったんだよ。」


「あはははっ、そりゃ災難だったな(笑)。」

俺はおっちゃんに紙弾を弱く放った。


魚人(アルカ)が何か言い始める。

「この小魚さんは海の支配者になりたいの?」


「そうらしいぜ。」

おっちゃんが答えてくれた。


「小魚さん。魔眼持っていたとしても、やめた方がいいよ。この海には、魔眼持ちは少なくない。

この海には、深海に進める道があって、深海に進めば進むほど敵も強くなる。1番下に辿り着けた者が海の支配者になる。ましてや、マクラマ様に捕まるぐらいの強さじゃ、たかが知れてますよ。」魚人は心配そうに俺を見る。




「そういえば、お前さんなんで捕まったんだ?」

おっちゃんが言った。


「アレは、高度な罠だった。川から海にたどり着いたら、魚1匹もいなくてさ。小魚見つけたっ思ったら、網に絡まっちまって気づいたら木箱の中だったってわけよ。」


「まぁ表向きは、この船は海賊じゃなくて漁船だかな。で、お前これからどうすんの?」


「逃げるに決まってるだろ?」

(当たり前だ。こんなところで死にたくない。)


「どうやって?お前陸歩けないだろ。」


俺はアルカを見る。

「こいつが俺を海まで送ってくれる。」


おっちゃんもアルカをを見て、

「お前さん。この小魚海に逃がしくれないか?」

俺の代わりに頼んでくれた。



アルカは少し悩み答えを出す。

「良いですよ。こんな小魚食べても腹の足しにもなりませんから。」

アルカは俺を木箱から小さい瓶に移し替え、階段を登る。

登り切った先には、マチルダが居た。


「あんたぁーサメがないってどーゆーことだーー!!」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

作者レポート



王道の展開!!

やっぱり王道は素晴らしい。

カップラーメンおいしっ!


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