3話

ビビビー ビビビー

危機感知のブザーが鳴り響く。うっさいなぁ。あたりを見回しても何も見当たらない。しらみ潰しに鑑定していくか。

「ぶくぶく」(鑑定) 『水草』『水草』『岩』『水草』......


バシャッ


右横っ腹に謎の衝撃が襲う。3センチほど吹き飛ばされ、慌てて攻撃された方を向いた。そのには、緑色のヒトデがいた。


(いってぇなぁ しっかり食らっちまった 器用に水草に擬態してやがった。でもあいつ動けなそうだし弱そうだぞ、危機感知ってあんな雑魚そうな奴にも反応するのか?うるせーから、あげなきゃよかった。戦う前に鑑定「ぶくぶく」)


『イリュージョンヒトデナシ』 LV56


無理っす。ごめんなさい。舐めてました。どー見ても弱そうじゃないですか。LV56ですか、うん、無理逃げます。勝てません。今できる全速力で泳ぐ、下流に乗って逃げ出した。


イリュージョンヒトデナシは、逃げる俺に向かって空気砲を撃ちまくる。


(あのーもしかしてだけど イリュージョンヒトデナシ怒ってませんか? 空気砲みたいなの飛ばしてくるんですが)


『肯 あなたの進化の光を見て、イリュージョンヒトデナシの目が一時的に見えなくなってしまったので怒っています。

目が完全に治ってしまったら、今のあなたの素早さだと相手の空気砲を避けることができません。頑張って逃げてください』


(ええぇー それ自業自得じゃん。勝手に見るなよ変態)


『レベルが《1》上がりました。』


(今は、いいから!!)


体感三十分ほど下り水草を見つけたので身を潜めた。イリュージョンヒトデナシが、足が遅くてよかった。レベル差があんなにあって一撃耐えられた事も奇跡だと思う。


"HP" 3/6


空気砲はダメージ3か、LV56にしては弱すぎじゃねぇーか?

まぁいいかダメージが低いのは、良い事だ。今は体を休めよう。


ううぅっ おやすみ



【2日目の朝】


おはようございます。魚って寝ている間も口少し空いてるんだね おかげさまでレベルが1上がりましたよ。鑑定のスキルレベル上げちゃいます。有能な鑑定さんになってな!

『鑑定のスキルレベルを2にしました。』

SP残り5→0



[鑑定]LV2

見たものの詳細が分かる。

レベル2だと少しわかる

次のレベルまで[消費SP:10]


さっそく鑑定「ぶくぶく」

『【水草】

水草の周りには、小魚やプランクトンが多く集まる。』

(おおおー。少しだけテキストが増えた。ありがたやーありがたやー)


『レベルが《1》上がりました。』


__________


(ごほんごほん。こちらベイビートゥースフィッシュ。反対側の水草に魚が居ることを確認ました。生まれて初めての狩りをしたいと思います。大きさは約8センチほど、自分より2センチ大きいです。下半身には大きな背ビレと尾ビレがあります。)

プランクトンでレベル上げをしている途中。反対側の水草を眺めていたら、魚を発見した。

進化前のベイビースモールフィッシュより、視力が下がっているせいか。魚を見つけるのに時間がかかってしまった。


(ステータスに映らない強さってあるんだなぁ)


魚を視界に捉え鑑定「ぶくぶくっ」


【アブラフィッシュ】LV6

HP20/20

MP10/10


鑑定を終え、獲物がある水草へ移動した。

作戦は、後ろからガブっと一噛み。噛み付くの威力がわからないから噛み付いた後は臨機応変に戦おう。


相手が油断するその時まで、体を揺らさずじっと待つ。初めてな狩りだ。心臓の音がうるさい。いつもより時間が遅く感じる。確実に仕留めろ。消して逃すな。


アブラフィッシュがプランクトンを食べ始めた。

(行くぞ、行くぞ)

俺はアブラフィッシュに噛み付いた。牙がアブラフィッシュの胴体に突き刺さる。アブラフィッシュは、大きく左右に揺れる。左右に大きく揺れたせいで、牙が相手の胴体から離れ、その勢いを使いアブラフィッシュに【たいあたり】をくらい、吹き飛んだ。相手と自分の間に50センチほどの距離ができる。両者見つめ合う


(俺の残りのHPは、)

[種族]ベイビートゥースフィッシュ

[レベル] 4/7

[名前]


HP 8/10

MP 5/5

SP 1


攻撃力: 8

守備力: 3

魔法力: 1

魔守力: 3

素早さ: 8

運:50


(相手は

【アブラフィッシュ】LV6

HP12/20

MP10/10


噛み付くで8か、これなら余裕だな。)


『否、相手に気づかれていない状態でのバックアタックは、ダメージが2倍になります。』


まじかぁぁぁ、最低でも後3回ってところかな。

逃げるべきか 戦うべきか。

(戦うしかないよな。生きるためには)

命をかけたデスゲーム。死にたくないなら、相手を殺せ。

ニヤリと笑い俺は、アブラフィッシュに急接近した。

アブラフィッシュは焦ったのか、体当たりをくりだした。


(予想通り)

焦ると得意なスキル使いたくなるよね。

アブラフィッシュの体当たりをギリギリでかわし

首元に噛み付いた。「ぶくぶく」(高速パクパク)

噛み付くと高速パクパクの合わせ技!

ガブッガブッ

1秒間に2回噛み付くことができる。いま出せる最高火力。

(俺の勝ちだ!!)


ボッ

なんだこの音は、

(あつっ)

水の中なのに熱い。アブラフィッシュが青い炎を纏った。

急いで牙を抜き退避した。

(あー流石、ファンタジー。海の中で燃える火ってなんだよ。

焼き魚になるぞ、ほら少しいい匂いがしてきた。最後の抵抗ってやつだな。お互い最後まで、正々堂々やり合おうぜ

かかってこいやぁぁぁ)


〜〜〜〜〜〜〜

作者レポート


[種族]アブラフィッシュ

[レベル] 6/10

[名前]


HP 2/20

MP 2/10


攻撃力: 5

守備力: 4

魔法力: 4

魔守力: 3

素早さ: 5

運:30



スキル

[蒼焔纏][体当たり][高速パクパク]


種族スキル

[油祭り]


[体当たり]

相手に向かって突進する


[蒼焔纏]

身を焦すほどの高温の青い炎を纏う

青い炎は、水の中でも消えにくい性質を持つ


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