07.報せ

仕事で家を離れた間、玄関で別れた時の僕の気持ちに気付いてか、僕を安心させようと尚からは幾つもの自撮り写真とメッセージが送られてきている。

変な顔の写真も混じっていて他の乗客が居るのにも関わらず、笑いを吹き出してしまい少し恥ずかしい思いをした。




落ち着かなかったのが嘘のように仕事に専念できたおかげで、予定より早く尚のもとに帰れることになった。




帰りの電車の中。

 尚に連絡をして、外を眺めているとぽかぽかとした太陽の日差しが心地よく、寝てしまった。

寝る時間を削って仕事をしていたせいか深めの眠りにつく。

 その時、僕は尚からの無数の着信に気付くことができなかった。








僕がこの着信に気付いたのは帰宅し、家の中に尚が居らず尚に連絡を取ろうとした時。







 後にも先にも僕はこの尚からの電話に出れなかったことを一生後悔する。

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