05.尚の変化

尚と付き合い始めて数年、喧嘩することもあったが順調な交際の後、結婚をした僕と尚。





 僕に隠しているようだが、数ヶ月前から尚が頻繁に体調を崩しているのが少し気になっていた。




「尚。話があるんだ。」




 そう伝えると、尚も話があると深刻な顔をして僕を見つめてきた。唇を噛み締めて少し緊張している尚の手を握って僕から話始める。





 「最近、尚の体調あまり良くないだろ?何かあった??」




 尚は緊張していた表情が解け、曇った表情になる。





 「どうしたの?」




 少しして繋いだ手を尚はギュッとつよくにぎりしめ、口を開く。

 

 


 自分の身体に病気がみつかったことを。




そして尚のお腹に新しい命が宿ったことを。





 僕は嬉しさと戸惑いが一気に押し寄せると同時に尚の気持ちに気付いた。


あぁ、尚は僕が感じた感情だけじゃなく恐怖や色んなものが入り交じったものをどうしたらいいのか分からず、ずっと抱えていたのか。



僕は握っていた手を尚の背中にまわして抱き締めながら、



「ありがとう…。これからも大切にする…。次からは1人でじゃなくて、一緒に病院に行こう。尚の身体のことも、僕たちの子供のことももっと知りたい。」




 この時、僕は尚がどんな顔をしていたのかちゃんと見れてなかった。

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