36 GALARGE : Serial killer (in VRMMO) × ガラージ:シリアルキラー(in VRMMO)

【タイトル】

 GALARGE : Serial killer (in VRMMO) × ガラージ:シリアルキラー(in VRMMO)

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054988695991


【作者】

 空き巣薔薇 亮司(あきすばら りょうじ) 様


【ジャンル】

 SF


【あらすじ】

 平和な世の中で人々は刺激を求めた。ダイバーワールドを利用したダイブ型VRゲーム『G.O.R.E』は、完全に仮想世界に沈む込むタイプのVRゲームだ。過激なゴア表現を含んだ圧倒的なリアリティーが特徴であるそのVRMMORPGは、一部のファンから熱狂的な支持を受けて今に至る。ゲーム内で「ヴィルマの殺人鬼」と呼ばれる青年ガラージは、鬱屈とした現実のストレスを発散するようにG.O.R.Eで人殺しを続けていた。ヴィルマの街の人々に恐怖と狂信を植え付けた男は、とあることがきっかけで魔術師を名乗る謎だらけの女・エトセラムから自分のチームに入らないかと勧誘される。


 ※第19話 要塞都市バームにて まで読んだ時点での感想です。


【魅力】

 タイトル、あらすじ、世界観、キャラクター、いずれも一貫したテーマによって描かれており、ブレが少ないため見せたいものが明瞭であると感じます。あらすじの通りゲーム内とはいえ人を躊躇いなく殺害する「殺人鬼」と呼ばれる青年が中心となる物語ですが、命のやり取りについて情というものを感じさせないところが徹底していると思います。ガラージ自身が現実にままならなさを感じ、それを発散する手段としてG.O.R.Eにはまっている点もあるかと思いますが、殺しに躊躇いを感じません。殺される相手ももちろん命乞いや恐怖、逃亡、対峙など様々な抵抗をしていますが、事切れたあとが死体という「もの」として残り、感情を排斥しているあたりがこの世界観を効果的に表現していると感じました。

 命を悼む、悲しむといった倫理的な感傷を徹底的に削ぎ落しており、しかしまったく無感情で淡々とした物語というわけでもない。秘密主義な魔術師エトセラムに圧倒的な強さを誇るアンチョムの二人だけでも個性と底知れない強者のオーラを感じさせますし、ガラージではありませんが退屈させない道のりが待っていそうだ、という期待が持てます。


【その他】

 G.O.R.Eの語源はゴア描写とかのゴアだと思ってたんですが、作中で別の意味が明かされまして勝手にダブルミーニングではと感動していました。

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