8 僕の芝生は青くない
【タイトル】
僕の芝生は青くない
https://kakuyomu.jp/works/16816700426457039241
【作者】
仙水 次 様
【ジャンル】
ラブコメ
※第32話 ヒダリ手奪わレ道を歩ク まで読んだ時点での感想です※
【あらすじ】
高校入学を機に一人暮らしを始めた鷺ノ宮秀。新生活を新しい土地で始めようと思った大きな要因は彼の幼馴染にあった。鷹河凉……長身で金髪の、見目麗しい少女。自分の隣に秀がいることを当然とし、すべての理由を「幼馴染だから」と豪語する。もはやべったりというレベルを超えて強い執着を見せる凉に秀は恐怖に近いものを覚え、彼女から距離を置こうと引っ越しするに至った。高校一年生の新学期、再スタートを切ろうとしてドアを開けると、そこには見知った幼馴染が立っていた。
【魅力】
ローテンションで淡々と繰り広げられる、常人の思考の範疇を超えたラブコメ。と言うべきでしょうか。あらすじで書いた内容は本当に物語の第一話の内容で、ただこのインパクトがあまりにも強烈で、しばらく思考停止してしまいました。扉開けたら幼馴染待ってるって怖くないですか。私は一瞬ホラー小説を読んでいたのかと思いました。
常軌を逸した執着を見せる凉に翻弄される秀、が基本の構図だとは思うのですが、面白いのは感情のベクトルが決して一方通行ではないということです。秀は確かに凉から離れようと一人暮らしを始めましたが、凉との会話を聞いていると彼も凉のことを深く理解しています。第三者が見れば同じに見える凉の表情の違いに気づける男です。凉の特異さばかりが際立っているように見えますが、そんな彼女と普通に会話をし、彼女の機微を理解できると言うだけで、やはり秀も相当なものでしょう。そんな関係性を十分に窺うことができる会話劇が印象的です。
【気になった点】
アクの強い登場人物の思考回路と会話を楽しむ小説だと思っているのですが、個人的には会話のリズム感や読みやすさが重要かなと考えています。静かに突飛な会話のキャッチボールをする秀と凉は会話の空気感や雰囲気、テンポが合っていると思いますが、愛咲、常世、菊池といった違うキャラクターとの掛け合いはどことなく埋没しているような印象を受けます。個人的には愛咲と常世も相当に危険な間柄だと思うので、やり取りやテンション、スピード感など、秀と凉とはまた別種の会話劇を見られたらと思います。
【その他】
愛咲の犬をやってる常世はもっと見たいですね。いわゆるパシリ的な意味合いでの活躍はよくよく拝見しましたが、別ベクトルでの飼い犬としての活躍や性癖は見られるのかどうか。
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