7 遅刻勇者は異世界を行く 俺の特典が貯金箱なんだけどどうしろと?
【タイトル】
遅刻勇者は異世界を行く 俺の特典が貯金箱なんだけどどうしろと?
https://kakuyomu.jp/works/16816700425990406043
【作者】
黒月天星 様
【ジャンル】
異世界ファンタジー
※キャラクター紹介 第一章終了時点 まで読んだ時点での感想です※
【あらすじ】
崖から落ちて怪我をした、それが桜井時久につい数時間前に起こった出来事。命の危機を富と契約の女神・アンリエッタに救われたまではよかったものの、その対価として異世界の「神同士の暇潰しゲーム」に彼女の手駒として参加することになってしまった。提示されたクリア条件は一億円分を稼ぐこと。ゲームを有利に運ぶため、アンリエッタは時久を「勇者」として召喚しその恩恵を得ようとしたが、何者かの妨害のせいで本来の勇者召喚から数日後に召喚されてしまった。時久が女神から与えられた加護は手提げ金庫のような貯金箱。万物換金――所有物を金に換えることができる能力をどうにかうまいこと駆使して、ゲームをクリアするための冒険が今……牢屋から始まる。
【魅力】
万物換金、という特殊能力のネーミングからまずユニークさを感じますし、その個性的な能力をどのように使って窮地を脱し、物語を進めていくのか。「どうやって」の部分で非常に興味をそそる物語だと思います。金は天下のまわりものといいますし、何でもお金に換えられる能力(日本円でもジンバブエドルでも異世界の通貨だってレートで変換可能)があれば大半の問題はあっさり解決できるのでは? と、いわばチート的なシナリオ展開を予想していました。ただ、その点はいい意味で裏切られたと思っています。
開幕早々時久は牢屋に投獄されてしまうわけですが、「自分の所有物でなければ換金できない」という制約があるから金の力ですべてをすぐに解決できるわけではない。かろうじて自分が身に付けていたものの必要なお金には足りなかったり、牢屋内にあるものや他の人が所有しているものは換金対象ではないあたりとか、どうやってお金を工面するか、結局頭を働かせて打開策を模索しなければなりません。特殊な加護と出会った人の縁とを組み合わせて、ハードモードのゲームをどう攻略していくのか楽しみです。
【気になった点】
物語の展開として気になった点になるので、修正が必要とかそういう意図ではないのですが、イザスタの「都合のよさ」はとても気になる要素ではあります。正直、イザスタがいなければ一章の時久はいくら女神がいたとしても詰んでいたと思うので、隣の牢屋に世界の話から魔法の属性、使い方とかまで丁寧に教えてくれるお姉さんがいるというのは、時久にとってあまりに都合がよすぎます。イザスタ自身にも明かせない事情があるのでしょうが、どこまでが意図的なものなのかとか、偶然の要素はあったのかとか……その塩梅が気になりました。
【その他】
貯金箱(物理)がやっぱり印象的で、一番納得したし読んでいて奇妙な爽快さがありました。戦闘慣れしてない人間が、手元にあるものでなんとかしたいと思ったらそうなりますよね、という。
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