6 我ら! フシギたんきゅーぶ!!

【タイトル】

 我ら! フシギたんきゅーぶ!!

 https://kakuyomu.jp/works/16816700428971781767


【作者】

  ビーさん 様


【ジャンル】

 現代ファンタジー


 ※第25話「申請」 まで読んだ時点での感想です※


【あらすじ】

 超能力を持つことが「普通」の現代。私立聖凪咲高校に通う高校生、白優はその腕に蛇を飼い、日常を脅かす化け物・テラスを倒す仕事を祖父から引き継いでいる。そこに超人のように優秀で最強な咲上あき、口が達者なモテ男河井トオルの二人の癖がある幼馴染も加わり、化け物退治を行う同好会「フシギたんきゅーぶ」として破天荒な日々が幕を開けた。あきが持ち込んだ「フシギたんきゅーぶ」としての最初の活動。それは登山に向かった人間が無惨な死体として発見された原因の退治だ。烟山で出会った翼の生えた少女、そこから優の物語は大きく動き出す。


【魅力】

 間違いなくコミカルなキャラクターの掛け合いを楽しむ小説だと思ったのですが、所々介入してくる何かに不穏さを忘れられない物語でもあります。


 超能力を扱いながら化け物退治をするという日常を守るための戦いと、日常でのハイカロリーなやり取りに、優には申し訳ないですけど飽きない日々を送っているなと思いました。キャラクターの個性がこれでもかと発揮されていますし、見分けがつかなくなるということもなく、とても楽しんで読むことができます。あとは、バトルシーンでは決して優が最強というわけではないのがいいなと思います。祖父からテラス退治を引き継いだとはいえまだまだ発展途上というのがよくわかるので。

 と、だけ書くとコメディテイストの強い現代化け物退治なんですけど、プロローグをはじめ、所々に割り込んでくる謎の文字群が「それだけじゃないぞ」と煽ってくるかのように思えます。文字化けしたあれらや英語テキスト処理とか、色々と可能性は考えたのですが……単なる楽しい日々では終わらせない、来たるべき日のための「処理」にも思えて、常に恐怖がつきまとうような感覚です。


【気になった点】

 現代日本を舞台にしていると考えたときに、優の周囲の人間は確かに目立つ容姿をしてますが、それは優にも言えるんじゃないかと思います。優は真っ白い髪にペリドットのような緑の瞳をしています。周囲の人間が彼の容姿に物珍しさを覚えなくなった高校というのもあるかもしれませんが、優の周囲ばかりが取り上げられ、優自身の「普通でない」部分を見せられる機会がいくつか失われているような気がしました。自分への視線よりも優から見た周囲にフォーカスされるのは彼視点だからかもしれませんが、そこがほとんど触れられない(あるいは読み手に情報が与えられる機会が少ない)と、優並びに異質なものに対する一般的な感覚が伝わりにくくなるかもしれません。


【その他】

 読了時点ですとリイナちゃんが好きです。典型的な厨二病キャラであろうとしながら、そのアイデンティティが崩れて素が出てくると可愛さ倍増ですね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る