第5話 俺のルーティーン
気がつけば、カーテンの外が薄らと明るくなっている。
時計は朝の5時。
(ゲームをしている時って、ほんと時間経つの早いな)
喉の渇きとトイレ以外は席を外さず、ずっとゲーム画面を見ながら、コントローラーを触っていた。
画面の中で展開される大技。広大な大地。綺麗な空やキャラクターの軽快な動き。現実ではあり得ないカッコいいアクションを目にすると興奮する。映像美も本当に堪らない。
(でも、俺がやってることは、指先でボタンを押しているだけ……なんだけど)
布団に入って、休日の俺が始まる。朝方までゲームをした体は昼過ぎまでぐっすり寝る。
昼過ぎに、ゴソゴソ起き出して、家にある簡単な食べ物を口にする。夕方にはTVをつけっぱなしにしたまま、YouTubeかスマホゲームをする。
(こんな生活をしていて、FIREなんて、夢のまた夢だよな)
起きたのは14時を過ぎた頃だった。冷蔵庫の中を確認して、冷凍うどんを見つける。台所の棚には、カップラーメンがあった。
食べたいのはどっち? というより簡単な方を選んで、湯を沸かし、3分待つ。
カップラーメンを食べ終わり、ゴミを捨てるところで、気が付く。
「ゴミの日だった」
中身がいっぱいのゴミ袋が、玄関に置いてある。閉じた袋を開けて、空になった容器を入れる。
俺はため息をつくと、外に出ても許される服に着替えて、ゴミ袋を手にした。安いマンションではあるが、ゴミ置き場がちゃんと設置されていて、鍵を持っている住人は朝一でなくてもゴミを置けるのは有り難かった。
(天気がいい)
ゲーム夜更かしをした目には、日中の太陽光が眩しすぎる。ゴミを捨てた後、家の近くのコンビニへ足を運ぶ。
駅横のコンビニと同じ系列のコンビニは徒歩圏内に3ヵ所はあった。
「いらっしゃいませ」
入ってすぐ、その声は聞こえた。
レジにあるパネル。けれど、いつもと感じが違う。よく見ると菜月ねね
ではない。
別のキャラが映し出されている。菜月ねねより年上の雰囲気を持っていて、パープルがかったロングストレート、目は切長で身長もねねより高い設定のようだ。
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