第35話  赤い子竜(アーシュさん)が行く場合

子竜さん(アーシュ)の場合 

え! 子竜さん!! あ..行くちゃったワン!



まわりの木に当り散らしていたブルーベリーの精霊さん

子竜さんに気がつき 動きを止める。 


「な、なに! なんか用なの?」

火でも噴かれたらと、ちょっと怯えるブルーベリーの精霊さん


まるで、諭すように、じっつと見つめる子竜さん


「あら!貴方!!人間ね」 精霊さんは何か呪文を唱える!と

子竜さんの上に幻のような透けた身体のアーシュさんが現れる!

「君の力?」とアーシュさん


「そうよ!人がこんな姿(子竜)になる、なんて大変ね」


「まあね」そう言うと折れた枝を見つめる。


「どうしたの?」


「...乱暴に折られて

 枝が再生するまで時間がかかりそうだ」


幻の姿のアーシュさんが手をかざすと、折れた枝の部分が光る。

※アーシュさんは怪我などを直すヒーリングをかけるが、


今の彼では魔法があまり効果がない


首をかしげ「すまない」  


ポッと紅くなる精霊「優しいのね」



「ごめんなさいね 実を分けてあげたいけれど 

夜中、私が眠ってる時に、街の人が枝ごと採っていったの」

「街の人?」 


「ええ、たぶん、金色のブルーベリーは

美容にも悪性の風邪にも効果があるって

他のブルーベリーの木も乱獲されて、皆、困ってたわ!

実が欲しいなら、街に行ってみたら?

 

ここからなら お昼過ぎには着くわよ」とブルーベリーの精霊さん。


「ありがと!じゃあ!! エルトニア! わん子!街へ行くよ」

とアーシュさん(子竜)



☆ 街へ向かう道の途中で…


『姫さま アーシュさんはどうやら女の子全般に優しいですか?』と

ワン子さん


ボッとちょっとアーシュ(子竜)の火でかるく火傷


『とっとと街へ行くぞ!!』 エイルさんと顔を会わせ、

ちょっと困った顔をする。


エイルさんはにっこり笑ってる。


やがて木の精霊から見えなくなるまで離れると

アーシュさんは

元の姿の子竜さんに戻ったワン。


『あらら』

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