2.貧乏性の御曹司、DIYで家をリフォームする
≪隼人≫1
五月になった。
ゴールデンウィーク中に、家のリフォームをするつもりだった。
五月一日の日曜。
飯田がうちに来てくれて、二人で打ち合わせをしていた。
「夏までに、エアコンを増やそうと思ってて」
「ああ……。今、何台だっけ」
「居間と、二階の洋室の片方だけ。
何ヶ所か、窓エアコンがついてたらしいんだけど。故障したり、古くなって危ないからって、撤去したんだって。
一階の和室二つとも、普通のエアコンをつけようかと」
「いいけど。中古のを買うってこと?」
「それが、悩んでて。新品でもいい気はしてる。
ただ、この家自体の断熱が……」
「築三十年だっけ。そこそこのは、入ってると思うけどな。さすがに、まったくないってことはないと思う。注文住宅っぽいし」
「すきま風がある。今はいいけど、夏は暑くて、冬は寒い家だと思う。
自分で対策できることって、ある?」
「ある……と思う。親父に聞いてみる」
「ごめん。ありがとう」
「あと、他にしたいことは?」
「二階の洋室は、じゅうたんをフローリングにしたくて。三つのうちの、二つを」
「自分で敷くってことだよな。
床材のことなんだけど。うちで扱ってるのは、そんなに安くない」
「そうだよな。どうしようかな」
「ホームセンターとかで、手ごろなのを買う?」
「うん。安いのが、あるんだったら……」
「わかった。木の種類とかは、俺が決めていい?」
「うん」
「どの木がいいとか、ある? 色とか」
「木の種類は、なんでもいい。
あんまり、暗い色のは嫌だな。明るい感じのがいい」
「色は、塗装でなんとでもなる。それこそ、ペンキみたいな白で、塗っちゃうとか」
「ああ……。作業自体は、自分でやる。やるっていうか、やりたい」
「いいよ。手伝う」
「ミャーが、ゴールデンウィークの間、ずっと泊まるって」
「すごいな。隼人は、それでいいの?」
「うーん。俺は、いいんだけど。護が、ミャーにいらいらしそうだな」
「ありそう」
「頑張ってくれてるよ。ただ、料理は……」
「うん」
「なるべく、自分でするようにはしてる」
「その方がいいな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます