第2話、さて、文章を書いてみましょう!

 「 張り切って書き始めたら、イキナリ、疑問に突き当たってしまった…… 」

 創作を始めたばかりなのですから、色んな『 ギモン 』が湧いて来る事でしょう。

 では、推察される『 数あるギモン 』から、まずは1発目。 私も手探りだったワードから、イッてみましょうか。



『 段落落とし 』

 ↑

 …コレ、御存じですか? よく聞かれる言葉ですよね。

 実は、知らない方・使っていない方、様々なのです。

 私が幼年期の頃は、当たり前の事として、作文していたんですけどね…


 今、私が書いている『 状態 』…… これが、そのものです。 改行した文章の初めを、1文字分、空けます。

 しかし、社内で使う報告書などには、あえて使わない場合が多いです。 まあ、気にしないで空けて書く方もいらっしゃいますし、逆に、小説でも、開けないで書かれておられる方は、結構にいらっしゃいます。 別に、決め事ではなく… いわば、暗黙のルールです。 必ず、空けなくてはならない、と言ったものではありません。


 ただ、空けていないと… どことなく、読み難いですよね?

 以前は、必ず空けて書くよう指導されていた時代がありましたし……


 従って、通例的に判断致しますと、創作… 特に小説の場合は、空けて書いた方が良いでしょう。 中には、「 空けて書かないなんて、お前の執筆レベルは、そんなモンかよ! 」と言われてしまう場合もありますから、気を付けて下さいね。 ただし、「」等を使用した会話文は、改行しても1字空けをしないのが通例のようです。


 また、この『 段落落とし 』には、様々な言い方があります。

 本来は『 字下げ 』と言います。 『 一字下げ 』と言われる方も。


 ここで、お気付き頂きたいのです。

 ナゼ、『 下げ 』・『 落とし 』なのか?

 

 ……そう。

 小説は元々、縦書きです。

 縦に書いてある文章の最上部にある文字を、一文字下げる( 落とす )から、そう言われているのです。

 現在は、PCで創作を致します。 Web画面上でも、特に意識しない限り、横書きですよね? こんなところに、歴史的経緯があるのは、実に面白いです。

 カセットやビデオ等、テープが録音・録画媒体の主流だった頃、『 早送り 』とか『 巻き戻し 』などと言う、専用語がありました。 デジタルが全盛となった現在、それはDVD等に取って代わったのですが、言葉だけは残っており、未だ使われています。 若い世代の方も、何となく理解し、使っていますよね? それと同じです。


 さて、では… ドコで、一文字を空けるのか……?

 基本、改行した一文字目です。


 では、ドコで改行するのか……?

 それは、句点の後です。


 『 。 』← コレです。


 参考ですが、先に記させて頂いた『 報告書 』なるものでは、句点は使用しないのが通例のようですね。

 ちなみに『 、 』は、読点と言います。

 両方を合わせ、『 句読点 』( くとうてん )と言いますが、句点での改行はハッキリ言って、その筆者のセンスですので、読みやすい場所と判断したところで改行して頂ければ問題はありません。 正しく説明すれば『 文章の区切り 』となるのですが、結構、抽象的ですよね。 先にも記させて頂きましたが、改行には筆者のセンスが現れる為、その判断は、非常に大切な事柄となります。


 まず、改行の頻度は……?


 文字で埋められた面積の事を、通称『 文章の顔 』と言います。 この面積が多ければ多いほど、紙面上( 画面上 )は、真っ黒になります。 まあ、好んで、そういった形態の文章を読まれる方もいらっしゃいますが、多くの方は敬遠されます。 特に、この『 講義 』は、初心者の方向けに書いておりますので、文章の顔は、なるべく清楚にされた方が『 読みやすい 』作品となりましょう。


 具体的に、ドコで改行し、段落落としを行うのか……?


 それが、深く考慮すべき部分であり、作者のセンスとなります。

 例え『 。 』があっても、そのまま改行せずに続けて書く場合は多いです。 私が書いている『 この状態 』を参考になさって下さい。 ただし…! 私個人な『 センス 』であり、『 私の判断 』・『 やり方 』です。 全部を鵜吞みにせず、あなた自身のオリジナリティーを加味させ、自分なりのマニュアルを構築する事が大切なのです。


 ちなみに私は、創作を始めるにあたり、近代日本文学… いわゆる、純文学の書き方を参考に致しました。

 かなりの数の『 名作 』と言われる作品を読みましたが、ハッキリ言って、その作品の内容はよく理解していません。 つまるところ『 覚えて 』いません。 なぜなら、内容云々より、どうやって書いたら良いか、どうやって書いているのか、が焦点だったからです。 これから自分も『 書いてみよう! 』と思って読んでいましたから……


 結果、『 読み難い 』文章の顔は、自分なりに理解したつもりです。

 書いている文章の内容が一段落し、次の展開に及ぶ際… もしくは、文章の内容を目立たせたい時、あるいは『 文章の顔 』が、文字で埋め尽くされつつある時に、私は、改行を行っています。

 ライトノベルが全盛となった現在の書き方も含め、今、書いている『 書き方 』は、自分なりに考察し、自分の為に完成させたマニュアルに則り、書いていますので、宜しければ、ご参考に……



 さて、次なる提議は、『』です。

 呼び方は、二重鉤括弧( にじゅうかぎかっこ )・二重括弧( ふたえかっこ )・袋括弧( ふくろかっこ )等、様々ありまして、記号・符号の一種です。 いわゆる、約物( やくもの )です。

 私は、文章の中の、重要な語句を目立たせる為に用います。

 あと、会話文の記述の際、電話相手の言ったセリフを記述する際などにも使用致しますが、使い方については、ハッキリとした『 決め事 』はありません。 ただ、読みやすいし、際立たせる事が容易な為、私は多用しています。


 問題は、これを改行した場合、一文字空けるか否か……


 先に記した電話相手のセリフの場合、「」と同じ会話文と考え、空けていません。

 文章の最初にある場合は、基本、普通に空けて書いています。

 ただ、これもセンスによって判断が左右されます。 空けずに記しているところが、あるやもしれません。 単なるミスの場合も…… (笑)



 次の提議と参りましょうか。

 「」や『』、()等の、約物の中の記述です。

 お気付きかとは思いますが、文章( 主に会話文 )の前後、私は、意図的に半角を空けています。

 これは、書籍化された場合… 校正の際には単なる記述ミスと判断され、半角の空白は削除される可能性が大です。 しかし、画面上での読みやすさに重点を置き、意図的に、私は半角空けをしています。

 普通は、こうなります。

 ↓

「面白い事を言うじゃないか。しかし、それは君の持論だろう?」

 これを、私は半角空けで記します。

 ↓

「 面白い事を言うじゃないか。 しかし、それは君の持論だろう? 」

 更に、お気付きの方もいらっしゃるかとは思いますが、句点の後も、必ず半角を空けて記しています。 これも『 読みやすさ 』に重点を置いた、私なりの書き方です。

 見慣れない方は少々、『 顔 』としては違和感を覚えるかもしれませんが、スッキリ読めるはずです。 しばらく読み進めると、いつの間にか違和感は霧散します。 これが、私なりの『 書き方 』の1つです。


 上記の記述を、下記に移してみます。

 ↓

 これも読みやすさに重点を置いた私の書き方です。


 読めない事はありませんが… 何か、読み難くありませんか? 古典純文学に傾倒された方でしたら、あまり違和感を覚えない方もいらっしゃるかとは存じますが、ライトノベルに育ち、その後、創作の世界に入られた方は、読み難くなくとも、どことなく、違和感はあるかと……

 また、下記のような文章は、どうでしょうか?


 これも、よみやすさ、に重点を置いた、私の書き方です。

 ↑

 これでは、読点が邪魔ですよね。

 ちなみに私は、思いっきり読点を入れ、校正で削除しながら創作しておりますので、読点は多い方です。

 …それにしても、おかしな感じの文章ですよね?

 従って『』を使い、読点を減らしております。 「」や『』は、読点の代理にもなるので、今後の創作のヒントにして頂ければ幸いです。


 先に発表した創作論『 異世界モノ、ちょっと斬ってみた件について 』でも、何度か記させて頂きましたが、小説の書き方に『 決まり 』はありません。

 『 常識の範囲 』…… それが全てであり、暗黙の了解が、周知と共に存在しているだけです。

 その『 常識の範囲 』に、作者によっては、理解領域の差が生まれてしまう為、『 逸脱した範囲 』と認識した方たちが、双方の『 常識 』を誇示し、争点が生まれます。

 従って、本拙作では『 段落落としは、必ずして下さい 』や、『 段落落としが、創作のルールです 』と言う、言い切った表記は使用致しません。 固有の表現には記させて頂きますが、全ては『 私のやり方 』をご説明させて頂いている訳ですので、言い切りの表記は、基本的に避ける方向です。 宜しく、ご了承下さい。 内容の判断は、あくまで『 参考にする 』に留めて下さいね。


 1つ、注意を……

 会話文の場合、「」の中の最後の句点は、入れない事が多いようです。

 例文です。

 ↓

「 へえ~、そうなの。 なるほど。 」

 ↓

「 へえ~、そうなの。 なるほど 」


 文法上、入れる方が正しいのですが、小説の場合、入れない場合がほとんど。 これは出版業界の範例が影響しているそうなのですが、諸説ありますので、調べてみて下さい。 結構、面白いです。

 ただし、例外的に「」の中の、最後の句点を入れている印刷物があります。


 それは、国語の教科書です。

 

 …ナゼ、そうなっているのでしょうか?

 さあ、調べてみましょう。

 自分で調べる… 大切な事ですよ?


 ちなみに、「」内の最終句点については、「 入れてある作品は『 その程度の知識 』しか持っていない作者だと判断し、読まない 」と、言われる方もいらっしゃいます。 つまるところ、「」内に最終句点を入れてあるだけで『 数人 』の読者は、読まずに去ってしまう… 結果的には、作品内容の良し悪しに係わらず『 読まれない 』作品となってしまう訳です。

 この辺りの裁量も、ご判断下さいね。



 では次回、もう少し『 創作 』を進めてみる事に致しましょう。

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