第52話 こいつら、カラスじゃなくね?(ミヤマガラスほか)
それは前回、スズメを見に行った後のこと。
帰りにいつものバードウォッチングコースへ寄ると、田んぼ道の真ん中にたくさんのカラスが群れていました。三十羽くらいいたでしょうか。
「わぁー、まるで通せんぼうしているみたいだ」
そう思って、何気なく写真を一枚撮りました。もう少し近づいてから、もう一枚撮ろうと思ったのですが、カラスたちは羽ばたいていってしまいました。
「まぁ、カラスだからいっか」
家に帰った後、写真を見返してみます。スズメたちはきれいに可愛く撮れていました。通せんぼうしているカラスたちも撮れています。ハシボソガラスかな、ハシブトガラスかな。田んぼにいたってことは、たぶんハシボソだと思うけど、いちおう確認してみよう。そう思って、カラスの集団を拡大してみます。
「……ん? こいつら、カラスじゃなくね?」
いや、カラスなんだけどね。
よく見ると、カラスたちのくちばしの付け根が白いのです。ハシボソガラスやハシブトガラスはくちばしが真っ黒のはずです。もしかして、このカラスたちは……。
「ミヤマガラス……!?」
カラスと言えばカラスしかいないと思うなかれ。実はカラスにも、いろいろな種類がいるのです。
ミヤマガラスは冬に日本へ渡ってくる渡り鳥のカラス。群れで生活していて、集団で田んぼなどのえさ場で食べ物を探している姿がよく見られるそうです。ハシボソガラスよりも少し小さく、くちばしの付け根が白いのが特徴です。
……と、図鑑で確認してみたら、やっぱりあのカラスたちはミヤマガラスっぽい。しかし、撮った写真が遠すぎるため、拡大するとぼやけてしまって、はっきりとわからない。
幸い、今回はスズメを撮るために午前中にバードウォッチングへ出掛けました。というわけで、次はカラスを撮るために、午後からリベンジバードウォッチング!
「でも午前中にいたってことは、午後はもう別の場所に行ってるかな。また会えるかはわからないよな。そもそも今日は風が強い。寒い。そして私は眠い。行きたくない。でもカラス撮りたい。ちょっとだけ、ちょっとだけなら……」
などと思いながら、再び田んぼ道までやってきました。すると、午前中と同じ道の真ん中あたりに、少なくなりましたがカラスたちの群れがいるではないですか!
さっそくカメラを向けてみます。やっぱり、くちばしの付け根が白いです。ミヤマガラスでしょうか。でもよく見ると、くちばしが真っ黒なカラスもいます。こっちはハシボソガラス? 大きさも少し違うような。もしかして、違う種類が混ざってる?
しばらくすると、カラスたちは飛び立っていきました。
いつも、ここらへんにはハシボソガラスとハシブトガラスしかいないと思っていました。けれどもミヤマガラスが来ていたとは。驚きです。この調子でコクマルガラスも見てみたいです。
あっ、きびすを返して帰ろうとしたら、林の向こうから鳥の姿が。かなり遠かったですが、ズームして撮ってみます。
「……ん? これって、ハヤブサ!?」
最後に思わぬ出会いもあって、良きリベンジバードウォッチングでした。
《今回撮れた鳥》
・ミヤマガラス
https://twitter.com/miyakusa_h/status/1630467563527495680
(群れているところ。ハシボソも混ざってる?)
https://twitter.com/miyakusa_h/status/1630468169893838849
・ハヤブサ
https://twitter.com/miyakusa_h/status/1630468494881075201
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます