第50話 鳥の餌台をもらった(ヒヨドリ)
二月は私の誕生月です。
というわけで、兄から誕生日プレゼントをもらいました。
「お兄ちゃん、なにこれ……?」
「鳥の餌台さっ!」
……また、いらない物を買ってきて。
ぱっと見、ランプのような、屋根のついた餌台。屋根を開けて、中に餌を入れると、下の空いたくぼみから餌が出てきて鳥が食べられるようになっているらしい。
「これを吊しておけば、家の中でも鳥が見られるぞっ!」
……いや、来ないから、絶対に来ないから。
実は昨年、本で見たピーナッツリングというものをやりたいと兄が言い出して、家の庭に掛けていたことがある。けれども、まったく来なかった。絶対に、昨年の二の足を踏む。絶対に、来ない。
「餌も買ってきたから、さっそく取り付けに行こうぜっ!」
どこからともなくホームセンターで買ってきたというブンチョウの餌を取り出し、外へ出て行く兄。こんな見慣れない餌を置かれても、絶対食べないと思うんだけどな。そもそも、鳥の餌付けに関しては賛否両論があるため、個人的にはあんまり関わりたくない。けれどもはしゃぐ兄に連れられて、私もしぶしぶ外へ出たのだった。
窓から見える位置の低木に棒を立てかけ、その先に餌台を取り付けておく。餌台の中にはあらかじめブンチョウの餌を入れておいた。
これで完成。簡単だね!
家の中へ戻り、窓から外を見てみると、すぐ目の前に餌台がある。これなら、いつ鳥が来ても気付くだろう。
「早く鳥、来ないかなーっ!」
「いや、絶対に来ないからね。絶対に来ないからね」
などと言いつつ、二人でゲームをして時間を潰す。絶対に来ないとは思いつつ、ちらちらと視線は餌台へ行ってしまう。
「来ないなー」
「来ないねー」
そんなことを言いつつ、窓越しに外を覗いてみる。
あっ、隣にある木の枝がガサゴソ動いている。
「ヒヨドリだ!」
木の枝にはヒヨドリがとまっていた。私はさっそくカメラを向ける。
ヒヨドリはキョロキョロと辺りを気にしている。餌台に飛んでこないかな。期待していると、ヒヨドリは足もとにある黄色い実をつついて食べ始めた。
ヒヨドリがとまっている木は、キンカンの木。
「キンカン食べてるじゃんっ!」
その後、観察を続けたが、やってくるのは隣のキンカンの木へやってくるヒヨドリだけだった。餌台にはまったく鳥がやってこない。
今でも窓の前には餌台が設置してあるが、鳥が訪れる日は来るのであろうか……。
《今回の写真》
・餌台
https://kakuyomu.jp/users/miyakusa/news/16817330653314127443
・ヒヨドリ
https://twitter.com/miyakusa_h/status/1626182976605388800
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