第48話 ハクチョウを見に行こう!(コハクチョウ)

 こちらでは雪が積もりました。寒いです。またしばらく雨や雪が続きそうで、なかなかバードウォッチングへ行けません。


 さて、今回はまだ雪の積もっていない十二月の中頃のこと。友人から連絡が来ました。


「ハクチョウ見に行きませんか?」


 なんでも、隣町でハクチョウが集まる有名な場所があるとのこと。


 さっそく「OK」と返信しました。


 近場でも、野鳥公園付近の田んぼでハクチョウの群れがよくエサを探しています。ですが、今回行く場所は大きな川があって広い田んぼがあり、地元でも有名なハクチョウの越冬地だそうです。楽しみですね。


 当日になり、友人の車に乗せてもらって、いざ出発!


 助手席に乗っていると、いろいろなものが見えます。


「最近ね、本を読み始めて、その本がさ――」


「へぇー、そうなんだー……(あっ、いま電灯にとまってたのチョウゲンボウじゃないかな?)」


「そういえば、今年のクリスマスなにする? 私は仕事でさ――」


「う~ん、そうだねー……(あっ、さっき電線にとまってたのノスリだった気がする。お腹に茶色い腹巻きあったよ?)」


 ……べ、別に話を聞いていないわけではないです。ただ視線が鳥に向いているだけです。話は聞いていますよ?


 さて、そんなこんなで到着しましたハクチョウスポット。辺りは見渡す限り田んぼです。いるかなとドキドキしていましたが、さっそく空を飛ぶ数羽の群れに出くわしました。さらに進んでいくと、いたるところにハクチョウが群れているではないですか!


「ちょっととまって、見てみようか?」


 邪魔にならない路肩に車を停めて、ハクチョウたちを驚かせないよう距離を取りながら観察してみます。見つけた集団は三十羽くらいいました。「コゥコゥ」鳴きながら、田んぼの中をついばんでいます。可愛い。


「川のほうにも行ってみる?」


 写真を撮り終えて、私たちは再び車へ乗って移動します。走っている途中も、別の田んぼにいるハクチョウの群れを見たり、車の上空を横切るハクチョウの群れも見ました。


 ここはハクチョウパラダイスか?


 路肩でとまって観察しているっぽい車もちらほら。やはり有名な場所なだけあります。


 しばらく行くと、大きな川に着きました。ここではカモがたくさん観察できましたね。ヒドリガモやマガモやカルガモがいました。


 ちなみに、家に帰って後で調べましたが、ハクチョウにもいろいろな種類があり、大きく分けてオオハクチョウとコハクチョウの二種類がいます。


 名前の通り、オオハクチョウのほうがコハクチョウよりも大きく、首も比較的長いのが特徴です。といっても、野外で大きさを測るのは困難なので、注目ポイントはくちばし。


 くちばしの黄色い部分の面積が大きく、黄色い部分が黒い部分に向かって尖って見えるのがオオハクチョウ。くちばしの黄色い部分の面積が半分以下で、黄色い部分の先端が丸まって見えるのがコハクチョウだそうです。


 撮った写真を確認してみると、今回出会ったハクチョウは、コハクチョウでした。


 また、公園の池などに一年中いるハクチョウはおそらくコブハクチョウ。くちばしの先端がピンクっぽい色をしています。本来は西ヨーロッパに生息していて、飼育しているものや野生化してしまったものがいるそうです。


 今回は時間があまりなかったのですが、コハクチョウをたくさん観察できて、冬らしい充実したバードウォッチングでした。


「たくさんいたね。ここらへん雪が積もるともっとすごいんだよ。見渡す限りハクチョウが雪の中にいてね――」


「へぇー、すごいねー……(あー、今なんか茶色い群れが飛んでいたけどなんだったんだろう? ガンか? 時間があれば寄りたかった……。)」


 べ、別に人の話を聞いていないわけではないですよ?




《今回出会えた鳥》

・コハクチョウ

・ヒドリガモ

・カルガモ

・マガモ


《今回撮れた写真》

・コハクチョウ

https://twitter.com/miyakusa_h/status/1605841999193550849

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