第24話 友人とバードウォッチングをしよう2(カンムリカイツブリほか)

「鳥を撮るためにカメラ買ったよ! 今度、一緒にバードウォッチング行こう?」


 なんと、友人からそんな知らせが来た。


 なんでも先日、友人の母親が家の駐車場でヤマセミらしき鳥を見たのだそうだ。しかし、カメラを持っていなかったために、証拠がない。そこで、今度ヤマセミらしき鳥がやってきた時に証拠写真を撮るため、カメラを購入したのだと言う。


 後日、そのカメラを見せてもらったのだが、手のひらに収まるサイズの大きさで、単眼鏡のような形をしたユニークなカメラだった。友人は「玩具おもちゃみたいな物だよ」と言っていたが、ズーム機能もあって動画も撮れるらしく、小さいながらも高性能なカメラだと私は思った。


 天気の良い休日。私は友人を誘い、バードウォッチングへ出掛けた。


「いつも私は、田んぼ道のコースを歩くんだけど、そこ行ってみる?」

「うーん、田んぼって今、田植えしてるよね。知り合いの農家さんの目が気になるから、違う場所でもいい?」

「なるほど。どこ行こうか?」

「鞍山(仮称)は? 車ならすぐ行けるよ」

「さすが、車! ついでに野鳥公園も行ってみよう!」

「OK! 運転は任せろ!」


 行き先が決まり、私たちは友人の車に乗り込んだ。最初は、普段あまり行かない地元の山へ行ってみることにした。


 鞍山(仮称)。ここにはとある底なしの池があり、昔、馬に乗った武士がいくさの最中にこの池に馬ごと落ちたと言われている。その後、真夜中になると、鞍が池から浮かび上がってくると言い伝えられている。


 小さい頃からこの伝承を聞いていたからあまり怖くはなかったが、今思うと結構不気味な山のような気がする。


 ちなみにこの山、自作『バードボーイズウォッチング~鳥男子たちの恩返し~』で最終決戦がおこなわれた山のモデルでもあります。


 そんな鞍山へ行って、底なしと言われる池を見て、隣にある貯水池にも行ってみた。あまり鳥はいなかったが、貯水池にはカモに似ているがカモではないオオバン(ツルもく)とカイツブリ(カイツブリもく)に出会った。


 その後、再び車に乗り込んだ私たちは、今度は野鳥公園へと向かった。


 行く途中、道の真ん中を歩くキジに出会ったりしながら、野鳥公園に到着。


 観察小屋の二階に行って、外に広がる海を見てみると、波消し岩のそばに数羽のカモがいた。ヒドリガモとコガモだ。


 さらに手前の海には、カンムリカイツブリがいた。名前のとおり、頭に黒い冠羽かんう状の羽があるのが特徴だ。先ほど貯水池で見たカイツブリの仲間で、姿はカモに似ているが、違う種類。潜水が得意で、よく水の中に潜って魚などを捕らえて食べる。


「撮りたい……潜った! 撮れる……また潜った!」


 撮ろうとカメラを向けたらすぐに水の中へ潜ってしまう。焦れったい鳥だ。そんなことを繰り返しながら、なんとかその姿を捉えることができた。


 さらに観察をしていると、なんとミサゴにも会うことができた。しかも二羽。カップルだろうか。近くを飛びながら、時折ホバリングして獲物を探すように下の海を見つめていた。


 友人とともに、この日もたくさんの鳥を撮ることができた。


 私はカンムリカイツブリが撮れたことに満足していたが、友人はキジが見られたことが嬉しかったらしい。


「キジってオスはよく見るけど、メスはいないのかな?」

「メスはあんまり鳴かないからね。見つけにくいんだよ」

「そっか。キジのメス、撮ってみたいな」

「私も撮りたい!」


 そんなことを話しながら、本日のバードウォッチングは終了した。とても楽しいひとときだった。


 そして、次の日――。


「キジのメス、家の前にいたよー!」


 そんなメッセージとともに、友人から画像が送られてきた。そこにはキジのメスがいた。しかもそばにオスもいる。カップル!


「いいな! いいなー! 私もキジのカップル撮りたい! うらやましいーっ!」


 一人叫びながら、友人からの画像に嫉妬する私であった。



追伸

その時に撮ったキジ(オス)がこちら。

https://twitter.com/miyakusa_h/status/1514179820808142849

コガモ(オス)がこちら。

https://twitter.com/miyakusa_h/status/1514916113020116992

カンムリカイツブリがこちら。

https://twitter.com/miyakusa_h/status/1514511287580987396

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