第14話 冬に見たい小鳥(ジョウビタキ)
ジョウビタキ、という鳥をご存じだろうか。
スズメくらいの大きさの小鳥で、オスは頭が銀白色、顔と背中が黒く、お腹と腰が鮮やかなオレンジ色をしている。翼は黒くて白斑がある。翼の模様が着物の紋のようなので、「モンツキドリ」と言われることもあるらしい。一方メスは、全体的に薄茶色をしていて地味だが、つぶらな目がかわいらしい。
ジョウビタキは冬にやってくる渡り鳥で、日本全国で見られる。街中や公園でも見られ、田舎だけでなく都会でも観察できる鳥である。
先日図書館で見つけて読んだ本『今日からはじめる ばーどらいふ! (著:一日一種)』でも、主人公がバードウォッチングを始めるきっかけとなった鳥が、このジョウビタキだった。ちなみにこの本は、バードウォッチングの楽しみ方をマンガでわかりやすく紹介している。これからバードウォッチングを始めたいと思っている方にぜひオススメしたい本である。
さて、そんなジョウビタキなのだが、私は全然見ていなかった!
いや、正確に言うと、一回見た。田舎の街中を歩いている時に、目の前を一瞬横切るオレンジ色の鳥を見た。けれどもカメラを持っていなかったので、その姿を撮ることは叶わなかった。
あぁ、ジョウビタキが見たい。できればカメラで撮りたい。けれどももうすぐ冬も終わる。今季は見られないのか。今季を逃せば、次の冬まで待たないといけない。
などと、心配しつつ、ある日、バードウォッチングへ出かけた。
その時、あの力が発動したのだ!
「今日はこっちから帰ろう」
バードウォッチングへ出かけて、いつものコースを楽しんだ後、その日の私は、いつもとは違う帰り道から帰ることにした。
いつものコースは最短で家に帰れるのだが、その日はちょっと遠回りをして帰ることにした。遠回りコースではスズメがよく見られるので、それを撮りたかったからだ。
しかし、どこを見てもスズメがいない……。おかしいな。朝方はこの道の電線の上でチュンチュンしているのに。夕方になると別の場所へ行ってしまうのか。
結局スズメに会えず、無駄足に終わってしまったと思いながら、家の近くまでやってきた時、その鳥はいたのだ!
「……あっ!」
道のわきに置かれた木の枝。その枝の上に、オレンジ色の鳥がとまっている!
私は急いでカメラを向けた。シャッターを切ったのは一度だけ。すぐにその鳥は飛んでいってしまった。
それでも、幸運にもカメラの中には、きれいな鳥の画像が残されていた!
「きたっ! ジョビオ!!」
ちなみにジョビオとは、ジョウビタキのオスの愛称である。メスはジョビコと言うらしい。これは私が勝手につけたものではなく、野鳥好きの間で言われている愛称らしい。(『今日からはじめる ばーどらいふ! 』より。)
久しぶりに願った鳥に会うことができて、幸せな気分に浸りながら家路についたのだった。
追伸
その時に撮ったジョウビタキのオスがこちら。
https://twitter.com/miyakusa_h/status/1497126860362174464
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