第5話 魔法使いの意味!?
「さっき、火の精霊が怒ったのは、お前のせいか」
アルベールが焚火の近くに座ると、炎がまた、火の粉を散らし始めたのだ。
彼が呪文を唱えると炎はおさまり、焚火らしく小さな火に戻った。
莉乃は不思議でならない。
<ねぇ、何で火が怒ったり、小さくなったりしてるの?>
アルベールの右肩の上におさまった、莉乃は彼に聞いた。
「ああ……? 変な事言う精霊だな~ お前の属性と真逆にあるからだろうが!ってか、そんなことも知らないって、お前、ドンだけ下位の精霊なんだ?」
<女神様に頼まれて、この世界に来たばっかりなの。だから、イマイチ状況が分からないのよ>
「女神様?」
<イグニスって神様>
アルベールは興奮気味に、
「ほえ~!! この世界のNO2の神様に頼まれたって? じゃあ、そんなに下位のモンでもないだろう。俺のことはアルってって呼べよ。お前はミナーセで良いか?」
<ちが~う! 名前は莉乃よ!! 莉乃って呼んで!!>
「リノか~~ 変なの。ミナーセの方が良いのに……ああ、それからお前の呼び方を考えなきゃダナ……」
<呼び方?莉乃じゃダメなの?>
「肉体のない精霊が名前を取られたら、すぐに強い魔法使いに取られるじゃないか!! お前も知らない魔法使いに名前を教えるなよ!! これも常識だ!!」
<だって~ 昨日まで、普通の高校生だったのよ。それより何よ? 魔法使いって?>
「俺のこと。俺は、この世界のNO1の神のイリアスの血を引いた魔法使いの家系だ。お前は俺の契約精霊で……水の乙女で良いだろう。もっと、上位だったら、姫君とか? お嬢と付けてやるけどな」
アルベールは高らかに笑った。
「楽しそうですね、アル。精霊が見えるという事は、大変有意義な事ですね」
「わりぃ、わりぃ……王子、放っておいて。なんかさ、見たことのない顔立ちの水の乙女と契約しちまって……俺、早まったかなぁ……」
「風の精霊しか持たないあなたが、水の力を得られた。頼もしいことですよ」
リヒャルト王子はニッコリと笑う。
「リヒト王子の国も奪還せにゃな!!」
「僕一人が脱出するのが精一杯だったのです。もう無理は
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