第4話 平行線

私と悠斗さんの仲は相変わらずだった。


時々、出掛けたりする事がありでも、平行線で友達みたいな感じて過ごしている。



ある日の事。



「藍里ちゃん」



同僚の、阿梨夏 利緖(ありが りお)さん。21歳。




「何ですか?」

「今晩、付き合ってくれないかな?」

「私で良いんですか?」

「うん。良ければなんだけど」

「特に予定は入っていないし、大丈夫です」

「本当?じゃあ、お願い」



何となく想像つく。


多分、合コンじゃないかと思う。




そして、仕事終了後、利緖さんに連れられ向かった先は、とあるお洒落な店ではあるものの気軽に入れる場所の、お店のようだ。






「実は、頭数足りなくて」

「頭数?」



《やっぱりそうだったんだ》



「それって…合コンですか?」


「うん。ごめんね。藍里ちゃん、男の人が苦手だって事、分かってるんだけど、どうしても頭数不足で…本当ごめん!」



本当に申し訳なく謝る利緖さん。



「いいえ、何となく、そんな気はしていたので」


「そう?ごめんね。ありがとう」


「いいえ」




私は合コンに参加する事にした。



「君、おとなしいね。ほら、飲んで、飲んで!」



私に、お酒を勧める男の人。


私は、注がれる度に飲み干す。


だけど、それが大変な事となり、ふと目を覚まし、見慣れない部屋に焦る。



「えっ!?ここ…何処!?」


「あっ!目覚めた?」




ビクッ


男の人だ。




「あの…」


「大丈夫?今、コーヒーでも作る」


「い、いいえっ!大丈夫です!すぐに帰ります!」



フラッと体がふらつくと、転ぶ。




「あっ、大丈夫!?」



私に歩み寄り、立ち上がらせるかと思いきや、私を押さえつけた。



ビクッ



「急がなくても、ゆっくりで良いんじゃないの?かなり飲んでいたし。まあ、飲みっぷり良くて、俺もつい次々、注いだんだけど…ごめんな」



そう言うも、顔が近付いてくる。



「い、嫌ぁっ!近付かないでっ!」



ドンッと押し退ける。




「うわっ!何?」


「…ご、ごめん…なさい…」




私は部屋の隅に逃げ、壁に寄りかかりズルズルと座り込むと体が、小刻みに体がブルブル震える。



「だ、大丈夫?」


「ち…近づか…ない…で…!」


「えっ!?」


「…ごめん…な…さい…来ないで…下さい…」



「……………」



「…ちょっと…待って…君…もしかして…男性恐怖症…?」



私はゆっくり頷く。




「マジかよ…」


「ごめんなさい…本当にごめんなさい…」



泣きじゃくる私。



「参ったな……」



男の人は誰かに連絡する。



「分かった…そうする」



そして


「タクシー呼ぶから帰ると良いよ」



しばらくして


「タクシー」



ビクッ


「来たみたいだから」




私は軽く頭を下げる。


「ご、ごめんなさい…すみません…」



慌てて部屋を出て行った。





そして、マンションにつく。



カチャ


ドアを開けると同時に、隣のドアが開く。



「おかえり」



ビクッ


「…悠…斗…さん…」


「残業?」



私は首を横に振る。


「えっ?じゃあデート?」



再び首を横に振る。




「………………」



すると、悠斗さんは異変に気付いたのか




「藍里ちゃん?おいで」



手を広げる悠斗さん。


しかし、私は足が竦んで行けるはずがない。



「じゃあ…俺が、近付いて良い?」



そう言う悠斗さんに、頑張ってゆっくり歩み寄ろうとする私。


だけど、その一歩が小さい。



「藍里ちゃん、無理しなくて良いから」



私は目を閉じる。


そして、フワリと抱きしめられる。




ビクッ



「大丈夫…俺は何もしないから。俺を信じて」



私の震える両手が、悠斗さんにゆっくりと伸びる。



「大丈夫、大丈夫」



頭から背中を擦るように私を安心させる悠斗さんの想いが伝わる。



「何があったかは知らないけど、一人で平気?」



顔をあげ、至近距離で見つめ合う私達。



スッと両頬を優しく包み込むように触れる悠斗さん。




ビクッ


「大丈夫。触れるだけだから」




優しい眼差しと両頬に触れている悠斗さんに私は落ち着きを取り戻しつつあり、私は悠斗さんの手に自分の手を重ねる。



「…一緒にいて…下さい……」


「…それは…良いんだけど…色々済ませてからでも遅くないと思うから、また、声かけてくれる?」


「…分かりました…」




私達は一旦、各々の部屋に戻る。


しばらくして、私は悠斗さんの部屋に訪れ、私が寝るまで傍にいてくれた。















































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