夢からサメヌ夢


時はまた大学のころの叶わぬ日々に戻っていた。


「お兄ちゃん、待って。なんんんんか、あっ。」

白く長い指は私の大事な部分を何度も擦る。

「そろそろ濡れてきたし大丈夫かな。」覆いかぶさっていた体を少しお越し体制を整えたかと思うと一度私にキスをして指を少しづつ中へと移動していった。

「ぁっん。」漏れ出た声を隠す暇もなく挿入されたものに敏感に反応を示した体はエビぞりをして跳ねていた。

「ふふ。可愛い。まだこれからだよ。」不敵な笑みを浮かべたお兄ちゃんはすでに私の知っているお兄ちゃんではなく狼の男性が目の前に降臨していた。




         ーやばい。気持ちい・・・・・・・・////////ー




どれぐらい時間が経ったのかわからないが、ゆうとするよりは完全に時間は経っていた。それも挿入なしのまだ前戯の段階だ。知らない快感に酔いしれ体は正直に反応し恥ずかしさと気持ちよさが混在している。

「あっぁッん。まっん。あーはぁん。んん。いや、ぁっ」もうどうなっているのか考えられず漏れ出る声を我慢する暇もない。

「さや、気持ちいい?痛くない?」優しく気にかけてくれながら出し入れをやめないくちゅくちゅと音をたてられながらいいとこに当たるたびにエビぞりになり体の反応を見せる。

「ん。気持ちいいぃ。あっ。何か、んんんんんんんまってやだ。」

初めて感じるなにかがくるという感覚が全身を襲い恥ずかしさがマックスとなった私はその手を止めてほしくて思わずお兄ちゃんの腕を思いっきりつかんだ。

「大丈夫。そのままいってきな。」そんな手を簡単に剥ぎ取り上でまた拘束されてしまった。そして優しくキスをされた私はもうなにも考えられず酸素不足なのか酸欠なような状態に陥っていた。





            ーんんっやっやだ。あっん!!!!ー




ブリッチは小学生以来だったが、綺麗なアーチを描いていた。

「いったね。よくできました。」頭を撫でて包み込むように抱いてくれたお兄ちゃんは満足げな顔をしていた。私はというと本当に酸欠なのか息を整えながら下半身がびりびりしてさらに全身が幸福で満たされている感覚でいっぱいになっていた。

5分ぐらい抱かれたまま幸福を味わって、お兄ちゃんが体を起こしていた。

『あっ遂にお兄ちゃんのあれを挿入してしまうのかな・・・・』そんなことを思っていた私は仰向けになるとすでにお兄ちゃんはベットにはいなかった。

「さや、お茶飲む?風邪ひくといけないから服着なね。」キッチンでお茶を入れるために冷蔵庫を開けていた。「あっうん。飲もうかな。ありがとう。」戸惑いつつも服を着て差し出されたお茶を受け取って一口飲んで落ち着くことにした。




     ーありゃ?終わりかなー





お兄ちゃんはお茶を飲んでベットに移動して携帯を触っていた。

「眠い。さやー寝るよ!おいで。」携帯を置いてぼーっと立ちすくんでいた私を呼んだ。「うん。今行く。」考えても仕方がないのでこれは終わりということで聞くことも怖かったのでお兄ちゃんの待つベットに行くことにした。シングルより少し大きいこの部屋に備え付けてあったベットは畳なので薄い敷布団は心もとなく体が痛くなる。「お兄ちゃんごめんね。布団が安物で薄いから体痛いでしょ。」申し訳なくなったのとなんだかいたたまれなくなったのでありきたりの会話をした。「全然大丈夫だよ。逆に大学生でいい布団だったらすごいよね。」ベットに入ってきた私を抱き枕にして耳元で囁いてくる。「ふふ。そうかな。でも周りのみんな結構いい生活してるけどなんでなんやろうな。」奨学金を借りてバイトをして勉学をして一所懸命やっている私とは違いなんならバイトもほとんどしていないのに優雅にカフェで1000円もするパンケーキを食べていたりする。「それは親が裕福で自分の力じゃないからな。さやは頑張ってると思うよ。」なんでも意地悪を言っていたお兄ちゃんはどこに消えたのか、頭を撫でながら褒めてくれていた。「さ、寝ようか。」






          ー幸せホルモンに満たされておやすみなさいー







外が少し明るくなって目を覚ましたら夜の抱き枕の状態のままだった。

『お兄ちゃんの顔をまじまじ見たことなかったけど整ってるし白いしまつ毛も長いな。』そんなことを思いながら腕から起こさないように抜け出してトイレに向かった。トイレから戻るとお兄ちゃんは携帯を見ていた。

「おはよう。蒸し暑いね。」携帯から少し私をみて携帯に視線を戻し挨拶をした。

「おはよう。暑いね。朝ごはんは食べる?」お湯を沸かして珈琲を入れようと準備をしながら声をかけた。「いや、あとちょっとしたら帰るかな。午後から約束があるし。珈琲入れるなら俺にも入れて。」珈琲の匂いに気づいたのだろう。私はお兄ちゃんの分も入れるためコップとドリップを用意した。「ブラックでいい?私は牛乳入れるけど。」ブラックでも飲めなくはないが、カフェオレが好きなので牛乳を入れる。「俺はブラックで。」気づくと私の背中に体温を感じた。少女漫画のワンシーンのバックハグを彼氏ではなくお兄ちゃんで経験するとは思っていなかった。

緊張と恥ずかしさを隠すために珈琲を入れる手を止めずに集中した。「重たいんですけど。」一言だけ絞りだした言葉は文句だった。「こうやってると小さいさやのまんまだな。細いし、ちゃんと食べてるのか?」頭一個分違う慎重さだからか私の頭の上に顎をのせて腕の下から手をおなかにまわしてウエストを確認する。「食べてるよ。小さくもないし。お兄ちゃんが高いんだよ。」珈琲を1つ入れ終わりもう1つを入れていく。」






         ーゆうもこういう甘い朝とかできないのかなー



ガチャンと音がして現実に引き戻された。ゆうが自販機にジュースを買ってくるといって出かけて戻ってきたのだ。「ただいま。さやのも買ってきたよ。気が利くやろ?

?」褒めてということなのだろうか。差し出されたカフェオレを受け取りながら感謝を述べた。「ありがとう。気が利くね。」仕方がないので褒めると犬のしっぽを感じさせる勢いでドヤという顔を向けてきた。「やろ。こういう細やかな気遣いができる男は仕事も細やかにこなしていくんだよ。」さらに自己評価を上げて行って調子にのってきた。「そうだね。ゆうはよく頑張っているよ。」めんどくさかったのでさらに褒めておいた。満足したのかコーラを飲みながら満面の笑みで携帯に視線を落とした。本当に単純で普段褒めないのがいけないのか一度褒めるとずっと機嫌がいい。「そろそろ寝るかな。」携帯をテーブルに置いて歯磨きをしにゆうは立った。「私も寝るかな。」自分も寝る準備をするために飲んでいた飲み物を冷蔵庫にしまいトイレに向かった。



           ーはあ。きっと今日もないよねー



寝る準備を終えて布団に入る。ゆうは先に布団に入りまた携帯を見ていた。私と違ってゲームが好きなゆうはよくゲームをしていた。課金するほどではないが暇があればしていた。私はゲームはパズルとかはたまにするが、基本飽きっぽいので続かない。

「またゲームしてるけど今度はなにしてるの?」背中を向いていたゆうに話しかけてなんとか熟年夫婦みたいにならないように努力してみた。「今日のはガチャが引けるやつ。引く?」こちらを向いて画面を見せてガチャを引くよう促された。「変なので手も文句言わないでよ。」差し出された画面の丸い部分を押して何が出るかを待っていた。「おっ結構いいの出た!さや、やるやん。ありがとう。」どんないいものが出たのかわからないがご満悦のようだ。「それはよかった。明日いいことあるかもね。」いい雰囲気になるかもしれないと少し期待をする。「うん。じゃあ寝るね。おやすみ。」





          ー当たり前のようになかったー









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