第7話 修練3ヵ月
千雪が魔界に来て3ヵ月が経過した。この日は,S級レベルの攻撃を防御する最初の日だ。
師匠「サリー,最初から裸の恰好をしているな」
千雪「はい。できるだけ外の色と保護色となるように努力しているのですが,今はまだこの辺が限界です」
師匠「よく見れば,区別はつくが,意識していないと見失うレベルだな。よし,今日からは,S級レベルの攻撃を防御してもらう」
千雪「はい,いつでもどうぞ」
師匠「よくいった。では,参る!火炎S級!」
師匠のS級火炎攻撃が背景の色とほとんど変わらない千雪の裸体を攻撃した。
ゴーーー!ゴーーーー!
千雪は全身の霊力を氷結状態に変化させて防御した。
師匠「氷結の矢!」
ピューーー!ピューーー!
千雪は瞬時に,氷結状態から鋼鉄の層に変化させて,氷結の矢の攻撃を防いだ。
師匠「氷結の剣,連弾攻撃!!」
師匠は大きな魔法陣から氷結の剣を連続で発射させて,千雪を襲った。
千雪はすでに鋼鉄よりも硬いダイヤモンドのイメージの訓練で,霊力の層をダイヤモンド相当に変化させることに成功していた。
千雪「最強防御!!」
これが千雪の現在とりうる最強の防御層だ。全身の体表に沿って,ダイヤモンド相当に硬い層を瞬時に形成させた。そこに,氷結の剣が続けざまに5本,千雪の胸に向かって高速で激突した。
ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!
千雪の最強防御は優秀だった。なんと,3本もの氷結の剣を退けたのだ。だが,そこまでだった。あとの2本は,最強防御を貫き,2本の刃は,両の乳房を切り裂いた。
スパー!スパーーーー!
千雪はその場でうずくまった。Bカップの可愛い2つの乳房は,斜め一文字に切り裂かれた。血は出なかった。硬化した霊力の下側にも,霊力を流すことによって,出血を抑えていた。
師匠は慌てなかった。想定の範囲内だ。
師匠「サリー。見事だ。よく,3本も防いだ。2本は胸を割いたが,よくその傷程度で済んだ。回復魔法をかける。仰向けになりなさい」
千雪「はい,師匠,仰向けになります。私もまだまだですね。もっと,防御力を強化しないとだめですね」
師匠は,回復魔法を胸にかけながらいった。
師匠「サリーの進歩はとても速い。私もびっくりするくらいだ。あと1カ月もすれば,サリー一人でも,ある程度,危険な仕事もこなせるかもしれん」
千雪「じゃあ,来月から町で仕事探してもいいのですか?」
師匠「ああ,そうだな。だが,その時は,S級レベルの攻撃をすべて防御できたらの話だ」
千雪「はい。がんばります」
師匠「サリーの胸は回復したが,少し大きくなったな。回復魔法をかけると,細胞分裂が活発化するのはわかっていたが,胸がこんなに大きく成長するとは予想外だ」
千雪「あ,ほんとだ!!なんだかCカップくらいになったみたい。師匠,おっぱい,大きいほうが,好きでしょう?」
千春は,冗談で,おっぱいをもみもみさせて,師匠をからかった。
師匠「こら,こら,師匠をからかうものではでない。私にはナタリーというフィアンセがいる。挑発しないでくれ。もし,ナタリーに知れたら,私は殺される。彼女は魔界No.1の魔法士だからな」
千雪「師匠にはフィアンセがいたんですか。がっかりです。でも,ごめんなさい。もうしません」
師匠「よし,元気になったら,48式の時間を計る」
千雪「はい,もう大丈夫です。充分に休息できました。いつでも始められます」
師匠「よし,はじめさない!」
千雪は瞬時に,両足,両腕の筋力に霊力を流して活性化させ,高速で48式を演舞した。
師匠「よし,そこまで。2分55秒,約3分だな。サリーの限界スピードが6分だから,2倍速の速さで動けるようになったことになる。順調な仕上がりだ。だが,まだ足りん。あと1ヵ月で,5倍速までもっていきなさい」
千雪「はい,必ず達成してみせます」
千雪は,それからも精力的に修練を続けた。もう少しで,一人で外に出歩けるのだ。当然,修練にも力が入るというものだ。
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