第六話 肉美ちゃんはメインヒロインなんだからっ!!
軍人と思わしき人達がクラスのみんなを囲っていく。こりゃ素人じゃないな。知らんけど。いくら俺達がスキルを使えたって、所詮は戦いの素人。戦いを生業としてる人達に敵うはずがない。ここは大人しくハンズアップだ!
「へへ、大人しくしてろ。そうすりゃ何もしねぇからよ」
そんな事言いながら女の子を物色してるじゃねぇか。信用できねぇ。いや、女を見てる訳じゃなさそうだな。何かを探してる……?
「くんくんくんくん」
どうやら匂いを嗅いで何かを探しているようだ。
「これだ!!」
探していたのはどうやら肉美ちゃんのようだ。
「その持ってる弁当箱をよこせ!!」
訂正。俺の肉だった。
「死ね」
肉美ちゃんの一言で糸が切れたように倒れこむ犬の獣人族。え、どうなんってんの?? 事態の急変に他の軍人達が肉美ちゃんを取り囲む。
「何をした!? 答えろ!!」
「私の肉を奪おうとした。それだけよ」
え、ちょっと怖いんだけど。肉美ちゃんって今のところ、俺のメインヒロインなんだよ?? ここから女の子の輪を拡大していくつもりだったのに。そんなに肉を独占したいの?
「そこに肉があるのか! よこせ!!」
「死ね」
またもや、バタバタと倒れていく軍人達。これ本当に死んじゃってるの?? 静かになった教室内。誰も今の状況に追いつけていない。勿論、俺も追いつけていない。そんなに肉が大事だったのだろうか? あ、けどそういえば肉美ちゃんてば、俺の肉を食べてからお通じがよくなったとか、肌が綺麗になって、化粧のノリがよくなったとか、言ってたな。あと体重は痩せたのに胸もおっきくなったって。ちなみに肉美ちゃんって肉ばっか食べてるのに細くって金髪で胸おっきくて……、いわゆる金髪色白美人さんなんですよ。
そう、まさにラノベのヒロインのような方なんです。ちょっと変わってるけど。
さて、この状況どうしようか。肉美ちゃんなんてのんきに肉弁当を食べ始めてるんだけど。あ、そういわれてみれば鬼人族がいなくなってる。どこへ行ったんだ??
「ヒック、ヒック」
おい、なんか嫌な予感がしてきた。
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