第四話 一目惚れ
男だけ集まった。むさくるしいんだけど。俺ってハーレム目指してるんだよな? ハッテン場を作るつもりはないぜ? てか、まだ名前もしっかり知らない相手の家に転がり込むってお前らどんな神経してんだ??
まぁ幸いにも庭がちょっと広かったので何とか全員入る事が出来た。せっかくだからと、とりあえずキャンプファイヤーを開始。薪は俺のスキルで出した林だ。風だっけ? そんな感じのスキルを使えるやつが俺が出した林をスパッと切ってくれてさ、面白くなってきちゃってついつい、大きくしちゃったんだ。そしたらもう大盛り上がりよ!!
「さすがー!」
「イケメーン!!」
「持つべきモノは友達だぜー!!」
もっと俺を褒めてくれたっていいんだぜ?? そして待ちに待った肉との対面。みんなの表情が固まってしまった。なんたって俺が出した肉だからな。今日は大奮発して三キロ用意したぜ。
そして素手で肉を持ち去る男達。持ち去った肉は、キャンプファイヤーの日に炙ってそのままイートイン。刺身でいける位新鮮だからな、俺の肉は。タレも用意したけど、誰もつけやがらねぇ。もうすっかり俺の虜だな。
みんなが楽しめているか確認する為、俺はみんなの様子を確かめる。ふと、端っこの方で誰よりも一番、肉を盛っている人がいたので近づいてみた。
あれ? こんなところに女の子いるじゃん。男しかいないと思ってたわ。それにしても食べっぷりが凄い。肉って飲み物だったっけ? よし、この子の食べっぷりから肉美ちゃんと名付けよう。肉美ちゃん、たんとお食べ。
向こうもこちらに気付いたのか、食べながらこちらへと近づいてきた。
「おにふをもっほほひい」
さすがは肉美ちゃんだぜ。
「用意するからちょっと待っててくれな」
「はひ、いふらへもまっへまふ」
満面の笑みで肉を咀嚼しながら返事をしてくれた。
ズッキューーーーーーン!
な、なんだこの気持ち。も、もしかしてこの気持ちってこ――――。
「ちなみにこの肉はどこで手に入れたのですか?」
「え?」
「どこで手に入れたのですか?」
急に真剣な表情になっている肉美ちゃん。ちょ、ちょっと怖いんだけど。
「そ、そりゃ買ってきたに――――」
「どこの店ですか?」
「近所のお肉屋さんだよ」
「どこの店ですか?」
「だから近所――――」
「どこの?」
こうして俺は、肉美ちゃんとお肉の提供契約を結ばさせられる事になったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます