第三話 新しい学校生活

 朝からうまい肉を食べて元気百倍、アンパン〇ンっ! あれって何基準で百倍なんだろうね。いや、教えてもらっても困るけどさ。


 そんな今日は入学式。新しい制服に袖を通し、初めての通学路を歩いていた。どこを見ても、知らない男、女、男、男、女、男、女。思わず踊りだしたくなる。ここにいるみんな、俺のように新しいスキルを昨日取得してるのだろうな。けど、俺みたいな変わり種なスキルはきっと持ってるやつなんていないだろ。これで俺も一躍時の人だ。スキルじゃハーレムは作れなかったけど、スキルのおかげでハーレムを作ってやるぜ。











 スキル使ったら先生に呼び出されて怒られた。自己紹介でピューって酒出しただけなのにそれくらいで怒るなんて器が小さいんだよ。


 まぁ冷静に考えなくても未成年が酒出すってまずいよね。うん、わかってたけど、やってみたかった。これで俺のスキルの半分は封印させられた。そして、担任に定期的に酒の提出が課題になった。完全に自分が飲む為だよね? 校長先生にチクってやろうかな。


 そんなこんなで初日から注目されてしまった俺は一躍時の人となった。これでハーレムが作れるとは思えないけど、目的は達成だ。ただし、一つ問題があった。誰も寄ってこない。俺ってただ酒と肉が出せるだけの無害な少年なのに。怒られた時に思わず担任の顔面に酒をぶっかけたのがまずかったのかな? いや、美味しい酒らしいけど。顔を真っ赤にしてたわ。怒ったのか酔っぱらってたのかは定かじゃないがな。


 初日にして、先生の間でお酒製造機として認識されてしまった。午前中のホームルーム終了後に再度、職員室に呼び出されて酒の提出先が増えてったんだけど。校長にチクってやろうとしたら校長もいたし。この学校狂ってやがる。おかげで入学式当日にも関わらず、クラスメイトが誰なのかも全くわからんし。俺が教室にいられたのって自己紹介するまでと、解放されてバイバイした短い時間なんだけど。


 俺の酒には何か魔力でもあるのだろうか? 先生達はきっとそれを解明してくれるに違いない。ツマミがどうとか言ってた気がするけどそれは気のせいで、紙コップに分けてワイワイしながら分析(試飲)するんだろう。


 何で俺が先生のフォローしてるんだろう? あぁもういいや。明日から頑張ろう。俺にはまだ肉がある。あの最強の旨味肉。友達を家に誘って焼肉パーティーしてやれば学生なんてもん、イチコロだろ。


 そうと決まったら明日、みんなを誘ってやろう!!

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