第66話 R
マインは、このお家が気に入ったみたいだ。
良かった、私も台所とか気に入ってしまったし、客室を寝室にして主寝室はみんなの遊び部屋にすればいいかなって思ってる。
「マイン、ここ好きだよ?決める?」
私の言葉に、嬉しそうに頷いてマインはマチアさんにお値段を聞いた。
「そうですね、築年数と立地、改修工事をご自身で行うことを加味して、ざっと希望価格は9200万となりますね」
・・・お家って、そんなにお高いんですね・・・
マインは、振り返って困惑気味に、私に目で問う。
私も、同じ気持ちだよ。
「手付として、いくらかお預け下されば他の方に紹介することはやめておきますが、いかがです?大きなお買い物ですので、しっかりご相談いただきたいですけども・・・」
マチアさんは、そう言うと少し席を外しますねと外に出て行った。
配慮に感謝して、マインとボロスさんと3匹と相談した。
マインは、買いたい。
ボロスさんは、中立だが悪い物件ではないとの意見。
3匹は、前の方が楽しいけどここも嫌いじゃない様子。
私は、買ってもいいかなと思っている。
総合判断して、買いに決定した。
私とマインで、金貨を2枚ずつマチアさんに手付として支払った。
残りは、「大金なので用意が出来たら、ボロスさんにお付き合頂いてお支払いに参ります」と、約束した。
別にすぐに払えるけれど、ここで魔法カバンから出すところを見られるのもどうかと思ったから、後日支払いとした。
ボロスさんからは、商売的にも正解ですよと褒めて貰った。
マチアさんと別れて、ボロスさんのお店に向かう。
ボロスさんにお金を渡して、5日後にマチアさんを訪ねる約束をした。
そのままボロスさんのお店の応接室を借りて、マインと2人で相談しながら街の家に何が必要かを書き出していった。
何だかんだ、一から全てを揃えるとなると、何が足りないのかわからなくなるほどに大変だった。
森の家に置いておくもの、移動するもの、どちらにも要るもの、新たに買うもの、作るもの、何とか夕方までに書き出しだけは終わった。
ボロスさんに、夕飯をご馳走になってラスバルさんのお家に送って貰えることになった。
マインがラスバルさんに、スラテルポで連絡すると、連絡が来たことに喜び、食事が一緒に取れないことに落ち込んでいた。
「エルフは長生きですからね、寂しがり屋が多いらしいですよ。放っておいても死にゃしませんから、おいしいものを食べに行きましょう」
ボロスさんは、ほんのり苦笑いで食事をしに行く馬車を呼んでくれた。
夕食後、ラスバルさんのお家に帰ってから、2人と3匹で一日の出来事の報告会をしてラスバルさんの中の寂しがり屋さんを慰めた。
ラスバルさんは、話を聞いて腕のいい家具屋さんを紹介してくれると言うので、明日はラスバルさんとお出かけすることになった。
ラスバルさんはウキウキした顔で、マインは仕方なくって顔をしていて対比が面白くて笑ってしまった。
マインに軽く睨まれたので、キエクとイオルの後ろに隠れてスフェルに顔を埋めて笑いを堪えた。
どうしても、肩は震えちゃったけど・・・
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