時間潰し
…………今、彼を尾行していたのだけれど、今はもう夕方。
何故か彼は、本屋、CDショップ、ゲーセンなど。たくさん寄り道していた。
一体、何を探しているんだろう。
尾行している間、私の隣を通り抜ける人達が話している内容が耳に入る。
「ねぇ、〈星に送る歌〉って、知ってる?」
「なにそれ?」
「夜空に向けてある歌を歌うの。その時に、必ず願い事をする。すると、なぜかその願いは叶うんだって!!」
「えぇ! でも、なんの歌?」
「うーーん。そこまでは聞いてない……」
「なぁんだ。まぁ、都市伝説みたいな感じでしょ?」
「まぁね」
なにそれ。星に歌を届けるだけで願いが叶うの? そんなの絶対にありえないでしょ。
あ、やばい。めっちゃひねくれてるなぁ。
溜息をつき、彼から外していた目線をもう一度戻すけど……あ!!!
『居なくなってる!!!!』
もぉぉおおおお!!!!!
☆
次の日も、また次の日も。
彼を尾行するけど、何故かいつも同じルートで正直つまらない。
何がしたいんだろう。それに、夜になると必ず歩道橋の上に登り、真ん中で空を見上げている。ロマンチストかよ。
でも、夜空を見上げている彼の瞳は綺麗で、思わず見てしまう。
綺麗に輝く星が、彼の瞳にも映し出されており、キラキラと輝いている。
彼の瞳は、今日も夜空を見続けている。
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