繋ぎ手
お気に入りのドアノブがある。前に間違えて降りた駅の商店街で買った物だ。中古品と言うのか骨董品と言うのか、誰かの家のどこかのドアに取り付けられていたらしい、銀色の金属地に黄色の花がペイントされたレトロなドアノブは、いつでも私の鞄に入れてある。
出かけた先で、ピンときたドアに、あてがってみるのだ。既についているドアノブの上に被せるようにして見て、その溶け込み具合を確かめるのが、最近の楽しみだ。
そうするうちにいつか、このドアノブが元々付いていたドアと、出会えるときがくるかもしれない。私は彼らを再び引き合わせるために、こうして生きているのかもしれない。
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