第8話
「僕がですか?」
「そうだ。君にはほかの人にはない心の強さがある。それにいまだ非人族の整光騎士はいない。我々に力を貸してくれないだろうか?」
「頼むのは俺の方です。整光騎士団で力を付けさせてください!俺は黒雲が許せない。十二星剣だろうと、まだ存在がわからない主だろうとこの手で叩き潰したい。どうかよろしくお願いいたします。」
「素晴らしい。君は素晴らしい騎士になる。よろしく頼む。」
「よろしくね。」カンナさんもそういってくれた。
こうして俺は整光騎士団の一員となった。
「早速だが、少年には俺とカンナと共に任務に同行してほしい。百聞は一見に如かずだ。ここから北に黒雲の奴らが現れた。傷が治りたてですまないが、敵は弱い。俺たち二人でたたきながら、戦い方の基礎を教える。」
「分かりました。」
こうして俺たちは敵地へと赴いた。
「カンナさんはなんで整光騎士団に入ったの?」
道中、カンナさんと会話をした。
「カンナでいいわよ。私?私は成り行きで。小さい頃からやりたいことなんてなかったから。親に勧められて騎士になったのよ。あまり深い理由はないの。変でしょ?ごめんね。」
「そんなことない!初めて会ったとき自分の身を犠牲にしてまで俺を守ろうとしてくれた。あの姿勢は並々ならぬ決意じゃできない。」
「どうしたの、なんか変よ。でもそういってくれてありがとう。」
カンナは笑みを浮かべていた。ロックスもだった。
「ついたぞ。ここが任務の場所だ。」
おかしい。そう感じたのは俺だけではなかった。敵がいないのに禍々しい気配がする。ただものではない何かの。
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