第7話
「少年よ、名をなんと申す?」
「僕の名前はエルピスです。助けていただき感謝します。」
「ふむ、立派な青年だ。見たところおぬし非人族のようだな。故郷を壊された、つらいだろうに立派な男だ。」
僕たちの故郷について知っているのですか?そう聞こうとしたとき扉が開いた。
「失礼します。私の名前はカンナです。先日は助けていただきありがとうございました。」
入ってきたのは、きれいな紫色の長髪の女の子だった。歳は俺と同じくらい。あの時の女の子だ。
「うむ。礼儀がなっている。」
ロックスさんはそう言った。
「失礼ですが、お二人は知り合いなのですか?」
「その通り、我々はこの世の悪を光で整えるために生まれた整光騎士団の騎士だ。」
なるほど。あの時パンとかいう十二星剣を名乗るやつが言っていた整光騎士団とはこのことだったのか。
「そしてその悪の元凶こそが少年の村を壊した。我々はその組織を“黒雲”と呼んでいる。奴らは不意に姿をあらはしては人を襲いすぐに姿をくらます。雲のようにつかむことができないのだ。現に我々は奴らが主と呼ぶ男の正体をつかめていない。」
“黒雲”俺はお前たちを許さない。必ず次あったときはどんな強大な敵であろうとこの手で殺す。
「整光騎士団はいつから存在するのですか?」
「少年は始まりの戦争を知っているか?」
「名前は聞いたことがあります。」
「そうか、ちょうど80年前、この世界の6つの人種が互いの明日のために争った。これが始まりの戦争。」
聞いたことがある。村を出る前ばあさんが言っていたことだ。
「そして始まりの戦争の元凶は我々悪魔族にある。我々が獣人族の住む国を責めたから戦争は始まった。我々が始めたものは我々で終わらす。こうして悪魔族たちが整光騎士団を作り上げた。」
そんな過去があったとは知らなかった。
「少年よ、ここにとどめておいたのには理由がある。単刀直入に言わせてもらうと整光騎士団に入ってほしい!」
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