第11話
八月一日。
蒼の家に住んで三日目である
昨日の晩の夏祭りは終わりを迎えた。
いつものように、スマホのアラームが鳴りそれを止める。そのあと、カーテンを開けて太陽の日差しを部屋の中に入れる。
背伸びをしながら今日の天気を確認する。真っ青の空が一面広がっている。
布団をきっちり畳んでベッドメイクをする。
部屋から出て洗面所に向かい、顔と歯を洗う。
部屋のドアを開けると蒼が立っていた。
「おはよう。」
「おはようございます。」
偶然なのか、同時に部屋から出ていった。
そして、一緒に洗面所に向かう。
一緒に洗面所の鏡を見ながら歯を磨いた。
鏡越しで蒼を見るだけで恥ずかしくなる。顔と目がなぜか蒼から避けてします。
この気持ちは恋なのかもしれない。けれど、蒼は男性であって僕が小説で描いている
キャラクターのように女性ではない。
恋心を持ってはいけないと心の底ではわかっている。
忘れようとしても忘れることはできない。
蒼を見ている日々は、最初の出会った人見方が変わっている。もしかしたら、ある日間違えて告白をしてしまうことだってないことは、否定できない。
美少年と言ってよいほどの顔は女性に見えてしまう。
僕は、早く歯を磨き朝ごはんの準備に急いだ。それは、蒼と二人きりでしかも隣にいたら耐えきれないからだ。
水で口の中にある泡を洗いキッチンに行った。
「僕が、朝食作るから待ってて。」
「わかった。」
今日のメニューを本を読みながら考えた。
いつものようにみそ汁とご飯は固定で、サイドメニューを変えることにした。
歯を磨き終わった青は、ソファーで新聞を読みながら朝食を待っていた。
今日の味噌汁は具材を変えることにした。玉ねぎとわかめの味噌汁だ。
まず、玉ねぎの皮をむき、細かく薄切りにした。わかめのほうはいつもと同じ一口サイズに切る。
母親に教えてくれたみそ汁のダシのレシピを利用して、玉ねぎと一緒に煮込んだ。
煮立ったらわかめと味噌を入れた加熱したら完成した。
ご飯のほうは、蒼がもっちりのほうが好みだと言ってたので、もっちりにした。僕ももっちり派である。
サイドメニューは、初めて作る煮やっこにした。これは、簡単に言うと豆腐とほうれん草を煮込んだものだ。
長方形の大きな豆腐を四角形に小さく切る。
ほうれん草のほうは、親指と同じくらいの長さに切った。
後は、みそ汁の時に使用したダシと調味料、豆腐、カツオ節、ほうれん草を入れて一斉に煮込めば簡単に作れた。
ほうれん草には、ビタミンCがあり、それは貧血予防に必要な鉄分の吸収するのを高めてくれる作用もある。
ヨーロッパでは、胃腸のほうきとまで呼ばれている。便秘にも良い効果がある。
最近外食が多いので、朝食で色の濃い野菜と大豆製品の豆腐を取って健康管理をしている。
食事に重要なのは、おいしいこととその料理の栄養要素。体のバランスの良い食事をとって蒼には健康的に生きてほしい。
「今日もおいしそうだね。」
蒼は料理が完成するのも見て厨房に来た。
「ありがとう。」
完成した朝食をリビングのテーブルまでもっていってくれた。
それでは、いただきます。
毎日変わらない食材と製造業者の方々やその他の生き物に感謝をしてから食事を開始する。
煮やっこから食すことにした。豆腐はきちんと味が染みっていることが色で分かる。
箸で半分に切ると切れ目からダシがあふれてきた。
アツアツのおでんを口で息を吐いて冷ます。
口の中に入れるとダシが豆腐からあふれた。ダシの中にかつお節のほのかな香りが出てくる。その隣に添えられているほうれん草も味が染みっていておいしかった。
「リク?今日の味噌汁味がいつもと違うんだけど。」
「だしを使ってみたんだよね。」
ダシを使用したことで、みそ汁にコクが出てきた。
みそ汁の中に入れられた玉ねぎは味を深くさせて、具材が違うとみそ汁も七色に変化していく。
それらのおかずで、ご飯がどんどん進んでいく。
蒼も満足そうに食してくれて、作った買いがあったと思った。
今日のすることを会話しながら、朝食を食べた。
蒼は、昨日仕事を休んでいたので今日は会社に行って色んな商談があるらしい。なので、家の中には僕一人だけだ。
僕のスケジュールは、蒼にはブログを書くと伝えたが小説を書くこのに決めている。
小説の内容は蒼には伝えてくなかったので、こっそり書いている。まえに、蒼にばれそうになって毎回書くときにハラハラしていたが、今日は一人、家で留守番しているので、その心配をしないで執筆作業できる。
朝食の食べ終わった皿を洗い、蒼は会社に行くためにスーツに着替えている。
荷物を持って家から会社に向かった。
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
ドアのカギを閉めて早速二階の部屋で小説を書く準備をした。
小説の内容は頭の中にある程度産まれていた。理想とすれハッピーエンドも完成している。後は書き記すだけ。
ノートパソコンの起動ボタンを押して起動させる。
昨日の晩寝ているときも、祭りの出来事が脳内で熟成されている。
パスワードを打ってパソコンが開いた。早速保存していた小説のラストを書き始める。
小説の応募規定はギリ最低限の文字数を通過しただけなので、まだ祭りのことを書くスペースは残っている。
頭の中では、もうその本は完成している。
パソコンに自分の手をかざすと勝手に文字がタイピングされていく。
ストーリーは丸々昨日のこととは違うようになるようにアレンジを加えた。
毎度のように主人公が恋をしている同居人は女性という設定で書き始める。
祭りの時の射的は今でも記憶に新しい。銃を両手で持つことができるなんて、ハリウッド映画とかでしか見たことがない。
それを生で見せられたのは、驚きだった。
細かく蒼のかっこよいところはかっこよく、可愛いところはキュンとなるように意識をした。
いつまでも、この思い出を永久に残したい。
書けば書くほど小説の賞のことは気にしなくなった。
「この本を書く理由は?」
哲学のような考えだした。最初のほうはただただ日記感覚で書いているだけだった。
そこから小説の方法でこの感覚と思い出を他人と共有したくなり、小説賞に応募したいと考えだした。
もし、蒼が女性だったら野コンセプトで始まったこのストーリーは小説の中でエンドを迎えようとしている。
同時に僕と蒼の関係もエンドに向かっているのかもしれない。この小説はそれほどリスクがあるもの。
同居している男性に自分が女性だと思われて、それを諸説で書き記す人がいたら、軽蔑して家を追い出されるだろう。
けど、この小説にかけている思いは深く、そんなことなんて後のことだと考えいた。
祭りで、一緒に花火を見た思い出も書いた。
花火の時に蒼が話した言葉。
それは、「花火が好きだよ」と耳元でささやいてきた。
このシーンは僕の心をキュンとさせ、心拍数を急増した。耳もとでささやいただけでこれだった。
本音はその時キスをしたいとまで思った。あの横顔は花火の影響なのか、可愛く無邪気な女性に見えた。
耳もとでささやくシーンをキスシーンに変える。
人のいない神社の裏で、二人花火を背景にキスをする。
そこで、蒼が「すきだよ。」と花火で声が聞こえないので、耳もとでささやく。
そこから、二人は付き合いだすストーリで小説は完結した。
なんども、読み会したり、描き直したり満足するものにするまでひたすら書いた。
それは、昼ごはんを食べるのを忘れるまで集中した。
書きながらも涙下出始めていた。このストーリーが現実なものだったらどれほどよかったのだろうと思いながら、小説の中の主人公を嫉妬したり、共感したり複雑な感情だった。
小説の中の僕と蒼は、ハッピーエンドを迎えることができてそのままいつもの同居生活が同棲生活に変わる。
四時の時になる学校のチャイムの時にやっと完成することができた。
「やったー。」
書き終わったことにほっとした。
小説の応募締め切りが今日の夜12兆度だったので、間に合ってよかった。
誤字や脱字などは、書いている最中に最低限の注意して書いたので、多分少ないのでそのまま投稿することにした。
公式のウェブサイトから小説を応募できた。
小説の対象の賞金は300万と高額だった。受賞をしても出版することは確約されるので、受賞することが目標で応募。
発表期間は2週間後で異例の速さらしい。普段なら大手レーベルなので、応募数が多いが、出版枠の救済が多発したらしく、早く種パンできる新人を探している。
審査時間が速いのはこちらとしてもうれしかった。
応募フォームをクリックして、案内に沿って応募を始めた。
応募の要綱をちゃんとチェックして、応募規定の文字数や行数、ページ数など詳しく規定されている。
原稿もデータ送信なので、指定されている形式に直した。
ページの最初に梗概を書かないといけないので、800字以内に端的にまとめた。s区品の最初からクライマックスまで内容を明確に明記した。
規定に沿ってなかったら応募しても審査してもらえない可能性があるので、念入りに審査をした。
そして、応募フォームに自分の個人情報を入力を開始した。
記入が完了したら、確認フォームに飛んだ。きっちりしている応募フォームは間違えた情報を入力してないか確認欄を設けえていた。
そこから、登録しているメールアドレスにメールが来てやっと応募完了したことが分かった。
ネット上なので、キチンと届いているか不安だったけど、メールが来ているということは完成したことで間違いない。
後はやく二週間後の結果を待つだけだ。
「良い結果が出ますように。」と願った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます