第十話


 祭りがもうすぐ始まるので、ブログの記事を公開して、出かける準備をした。


 「準備できた?」


 蒼はドアを開けて入ってきた。昼から着物姿をしていたので、準備するものはなかったので、そのまま家を出た。


 今回の夏祭りで小説のエンドが決まるかもしれない夏祭りへと向かった。


 楽しみだ。


 町は祭りの雰囲気になってきた。外に出かけた時に何人もの着物を着ている学生さんたちが数人いた。


 ウナギを昼ごはんに食べて帰るときに通過した商店街には、デコレーションで提灯がついている。


 昔に蒼と一緒に行ったのが多分一回目の夏祭りだった。それが、また今回一緒に出掛けることができるのは、天文学的数値かもしれない。


 日が落ち周りは真っ暗の夜。今日の天気は予報道理雨は降らなかった。


 雲もない、これ以上ないくらいのお祭り日和である。


 夜の八時くらいには花火大会があるので、楽しみである。花火は、子供のころから好きだった。カラフルな色をしていてきれいである。


 祭りの開催場所は近くにある神社で行われている。そこは、面積が広いため色んな屋台が立っている。


 人ごみもすごかったので、迷子にならないように蒼の横で歩きながら屋台を回った。


 射的屋や金魚すくい、綿あめ、焼きそばなど飲食店から娯楽まですべてそろっていた。


 夜ご飯は、まだだったので祭りで済ませることになった。


 「何か食べたいものでもある。」


 蒼に向かって聞いた。自分では、店の量がありすぎて選ぶことができなかった。


 「んー、そうだなぁー。焼きそばが食べたいかな。」


 そこの祭りでもある定番料理。蒼は焼きそばを選んだ。なので僕も焼きそばを夜ご飯にすることに決めた。


 焼きそばの屋台も何個があったので、どれを選ぶか見ながら考えた。同じ焼きそばでも各屋台で差別化ができている。


 値段はさほど変わらないが、食材が違う。


 例えば、あそこの店ではキャベツがたっぷり入れら他焼きそば。向こうのほうだと上にのせる鰹節の量が異常なくらい多い。


 食物繊維は体に重要だから、キャベツがたっぷり入っているほうに決めた。


 「焼きそば、二人前お願いします。」


 「はいよ!」


 元気よく掛け声をかけるとできたての焼きそばをプラスチックのお皿に盛り付ける。そこに輪ゴムと割り箸をつけて持ってきた。


 代金を渡して、購入した。準備しているときから、もう香ってきたのでおなかは空いている。


 その時、考えたのはブログの内容だった。記事の内容をグルメにしようと考えた。


 蒼といると貴重な体験ができているので、料理の専門ブログに決めた。


 スマホを取り出して、写真を撮った。その姿を見た蒼は。


 「ブログのジャンル決まったんだ。」


 料理を取っている姿で、僕がやろうとしたことを推測できた。


 焼きそばの色んなアングルから取り始める。写真の取り方は大学の時に勉強したことがある。光を意識しておいしそうに見えるように撮影をする。


 「実は、リクのブログをさっき確認したんだ。」


 蒼は推測したのではなく、実際に僕が書いた記事を見たのだろう。


 「やっぱり、文字を書く才能があるんだね。」


 僕が昔から本を読んでいて、作文のテクニックの才能があることを見越して僕に依頼していたらしい。


 「長文だけど、詳しくかけていておいしそうだったよ。」


 人から褒められるとなんか照れてきた。さっき公開したばっかなのでまだ数十人しか見てないけど、多分これから伸びるだろう。


 落ち着いて座れる神社の端っこのほうで、座りながら食べた。


 「いただきます。」


 割り箸をきれいに食べて、焼きそばを食べていく。きぁy別をまず最初に食べる。


 適切な大きさに切られたキャベツが焼きそばのソースで味付けされている。アツアツなので。口でまず冷やしてから食べた。


 シャキシャキとした書簡とソースとのマッチが絶妙だった。続いて麺を食べていく。


 黄色の焼きそば麵は、箸で上に引き上げると湯気が出てくる。出来立てアツアツのお味は、おいしいとしか言えない。


 キャベツを食べて、次に麺を食べる。バランスよく食べ続けた。


 屋台の鉄板で作る味は、家でフライパンで作るときとは違う。もしかしたら祭りの雰囲気からおいしさが出てきている可能性もなくはない。けど、おいしければそれでよい。


 田保終わった容器と割り箸を紙箱に捨ててまた祭りを回る。


 おなかはまだ5割程度しかないので、次に食べるものを見つける。


「あれをやりたい。」


 歩いていると射的屋を見つけた。蒼は、欲しい景品があったらしい。


 それは、一番上の棚にあるゲーム機。小さな箱の上にゲーム機と書いている。それを完全に落とさないとゲットできない。


 始める前に見た客だと、当たったけど落ちなかった。ゲームの機械は一台数万円するので、ほとんどの店は取られないようにインチキしている店もある。


 この店は物理的には取れるようになってると思うが、生半可な威力だと落ちてはこない。



 「多分、取れないと思うんだけど。」


 蒼に自分の感想を伝える、


 「任せとけ。」


 かっこつけて蒼は、ポケットから二人分の料金を取り出した。それは僕に一つっはけるのではなく、一人で二つの銃を持って打つ姿勢を取った。


 「まさか…。」


 店員さんの目線が変わった。


 鋭い目つきでターゲットを狙う。さっきの子供のように一個の銃だと打ち落とすことができない。


 なので、二つを同時に当てるという神業で威力を上げるらしい。けど、同時に打って充てることは至難の業。


 深く深呼吸をして、銃を前にかざす。玉の数は、10発ある。それを同時に打つのでチャンスは全部で5回のみ。


 球をセットして一回目を打つ準備をした。ワインのコルクのようなものを銃の先端にセットをする。

オリンピックでも銃を撃つ協議はある。前にテレビ番組で特番を見た時は、腕の固定が重要だと言っていた。目線の先から腕、下半身すべてを統一させる。

運動神経の良い蒼は、そのすべてが完ぺきに見えた。 

全神経を整いて一発目を打った。


二つの銃から放たれた球は出るタイミングが違った。当たった場所もゲーム機

の棚よりも下だった。


考えていた弾道とは違かったのかもしれない。銃の威力とその弾道、方向は十一つ一つ違う。蒼は、銃を選び直した。


あの時の銃の威力は明らかに左右違う。なので、屋台に並んである銃を片っ端から試し打ちした。一つ一つ個性があって蒼は悩んでいた。ラストの一回を残してその他の球はすべて打ち終わった。


毎回景品を取っているところに驚いた。試しに打ってみる商品でもう始めた時のもとは確保できている。

完全に集中している蒼を見ているとこっちから声をかけることができなかった。


試し打ちの時に銃は選んである。その二つに球を入れて構えた。

僕が見る限り、押してから球が出るタイミングは違う。そこから選んだ銃は、できる限り近い物。


周りからはたくさんのギャラリーが見ていた。このような環境下で実力を出すことは難しい。目線からも感じ取れる真剣な目つき。


「よし!」と声をかけて銃を撃った。


その球は一斉にゲーム機のほうにむかった。起動も場所も完璧だった。

ゲーム機と書いている箱に上と下で同時に接触。二つの球の威力が同時に伝わり、倍の力で箱は飛んで行った。その箱は、落ちていった。


店員は、深く落ち込んでいた。やっぱり一つの球だと落ちないように設計されていた。観客がたくさんいたので、ゲーム機を上げないわけにはいけない。

棚の一番目立つ場所に置いている最新のゲーム機を取り、蒼に渡した。


「もってけ。」


落ち込んでいる店員は、今でも怒りそうな雰囲気をかもしだしている。


 「家に帰ったら、一緒に遊ぼうね。」


 蒼は笑顔でこっちを見た。ゲーム機は大きかったので、郵便の方法で、自宅まで送ることになった。


 ご機嫌そうな蒼とお祭りを堪能した。もうすぐ花火大会が始まる時間になった。


 天気が熱かったので、かき氷を買って花火が見える絶好のスポットまで歩いてむかった。


 神社の裏にあるベンチまで向かう。ここは、人がいないところで隠れスポットだある。人がいない静かな路地裏を歩けば到着することができる。


 かき氷を食べながら、花火が出る八時まで待つ。


 「かき氷食べる。」


 冗談で自分のかき氷をスプーンですくって差し出した。


 「じょうだ…。」


 言いかけた途中に蒼がスプーンにあるかき氷を食べた。


 男性との間接キスなんて関係ないと思っているが、何かわからないけど心がドキドキしていた。


 横から見た蒼の顔は、やっぱり女性に見える。


 「何考えているんだ、自分。」


 小説の書きすぎで、男性の蒼を女性思いながらだとみてしまう。


 手も小さくて、顔は美少年。

頭の中からその感覚は消えなかった。


「もうすぐ始まるよ、」


スマホの時計を見るともう八時になっていた。


ヒュル、ヒュル…。ドっカーン‼


花火大会が始まった。雲のない夜空に花火が光る。


子供のころ見た時のような感覚で、新鮮だ。花部が上がる前の音、心が躍っている気がする。


神社からさっきまで声が聞こえたが、今は花火の音しか聞こえなかった。

かき氷を食べながら、ずっと花火を見ていた。


鮮やかな花火は、アーティストのように空にアートを描いている。


 「きれいだね。」


 僕に向かって話した。


 「なに?」


 花火の音で聞こえなかったのか、聞き返した。


 「きれいだね‼」


 「え?」


 花火が次々と上がっていくため、話し声が聞こえなかった。


 蒼は僕のほうに近づいて、耳もとに来た。


 「好きだよ…。花火。」


 その時の僕の顔は、鏡を見なくてもわかる。

全面が赤くなっているだろう。


 恥ずかしさに蒼と目をそれして花火に集中した。目の前にある花火は、頭の中には張らなかった。


 その時に頭の中にいたのは、蒼の存在だけ。心臓の心拍数は上げっている。


 数十分も続いた花火大会は終わり、あたりの鮮やかな花火は消えていった。


 「帰ろうか。」


 花火大会が終わると、祭り生きた来客が次々と帰っていった。


 帰り道の頭の中に記憶されているのは。花火や祭りんことではなく蒼の顔や仕草が頭の中に浮かんでいた。


 帰り道も頭の中はぼ~としている。いつの間にか家についていた。


 家に帰ると何もする気が来なかったので、筆記作業は明日することにした。


 その日は歯を磨き、服を着替えて、寝てしまった。


 夏休み終了

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