【悪夢の真相】

 背中に激痛が走る、燃えるような感覚に一瞬意識が遠のく。

だが、腕の中にいる彼女は守らなければならない。


」「」「」「」「」「

 

 振り返り男のサーベル持つ手を掴む。

先輩は気を失ってその場に崩れ落ちる。


「なんだぁ~・・・!?ぬぁぁぁなんだこいつっ手がぁ!!」

「お前・・・・。」


「てめぇ!!何わけわかんねぇ事をっー」



ドスッー

 

 頭突きをした後に男の左手を強引に引っ張って、男の胸へと突き立てる。

サーベルが突き刺さり刃が貫通する。

目の前の死体を脇へ避ける。


「痛えぇ・・・これは傷が残るなぁ・・・・許さねぇ。」


 麗奈さんを近くの座席の床に寝かせる。

ここなら銃弾が当たらないだろう。


 サーベルを引き抜いて、落ちているライフル銃を拾う。

近くの男の死体から服を奪い、サーベルをライフルに固定する。

強盗の死体がもっていた銃弾五発を左手に握る。


 やけに腹が立つ、弟を傷つけられたから?

 ・・・・いや違うか。

 チラリと先輩の方を見る、頬が少し腫れている。


足音が近づいてくる。


「おい!!そろそろずらか・・・・なんだお前・・・。」


前方の扉から五人、後方の扉から六人の強盗が入ってくる。


バンッー


 前方の扉の前にいる五人、その真ん中にいた男の胸部を撃ち抜く。

男が糸の切れた操り人形の様に吹っ飛んで息絶える。


「切符確認の時間だ・・・・地獄行きの片道切符だ!!」



そのまま排莢しながら走り込み、撃った男の左の男の腹部を銃剣がわりのサーベルで突き刺す。


ズズズッツッー 

 サーベルを引き抜き、そのまま弧を描くように右の男の顔を切りつける。


「アァァァァァァァァー!!」

 男が顔を抑えて悶える。

弾丸を込めて悶えている男の心臓を撃ち抜く。

 

 銃を正面に構え奥にいる男の大動脈を狙って首をライフルで突く。

血が噴水みたいに噴き出して俺の顔の左側を赤く濡らす。


「う・・・うてぇぇぇぇ!!」

バンッーバンバンバン


 その場にしゃがみ排莢する。

まだ一人残っている、左奥の男がこちらに銃口を向ける。

転がっている男の死体を盾にして身を防ぐ。


バンッー

 死体の腹部に穴が開く。


目の前にいる男が排莢して、弾を込めようとする。

弾を装填して仕留め損ねた左奥の男に向けて、撃つ。


眉間に穴が開き、血を吹き飛ばしながら天を仰ぐ。


 だんだんと俺を隠している座席が穴だらけになっていく。

木片が飛び散って頬を掠めていく、シャツもやぶけてくる。

 

 どうやら、集団の持っている銃は旧式ライフルらしく、一発一発込めないといけないらしい。


銃声が止むタイミングがある。

統制も全くとれていない為銃声が一旦止む瞬間がある。


一ニ、三四五



バンッー

 

 座席から上半身を出して一番右の男の腹に一発、

身を隠さずにすぐにもう一発込め直してその隣の男の頭に一発撃ち込む。


バンッー

 男が胸を押さえながら膝から崩れ落ちる。

転がるようにして通路の反対側へと移る。


 弾を込め直す、残り一発。


 奴らも残弾に余裕が無いらしい、座席に隠れながらこちらに近づいてくる。

近くにあった強盗の死体の上半身を掴み、脇にライフルを挟む。

その状態で座席を銃座がわりに銃を乗せる。


パァンッー 

 

 死体の頭部の一部が吹き飛び宙を舞う、今打つために座席から顔を出した男の位置を把握する。

隠れた頭部の位置を予測して引き金を引く。


バンッ


 穴が空いた座席に向かい合っている席に血が飛び散る。


「くそがァぁぁぁ」


 男が一人手斧を持って突撃してこようとする。

死体からライフルを離して男めがけて投げる。


 男の腹に銃剣にしていたサーベルが刺さり前方へ倒れる、ライフルがつっかえて膝立ちのようになって固まる。


「馬鹿がぁ!!死ね!!」


 最後の一人がこちらに銃口を向ける。

男が放った銃弾を、死体を盾にして防ぐ。


 銃弾は死体貫通して俺の肩に穴を開ける。


つい


服はあちこち破けて血が流れ出ている。

腹部と腿に木片が刺さり、腕が切り傷だらけになっている。

血だらけだ。


「このぉ!!死に損ないがァァァァァァァァ!!」


「スッー」

 息を吸って止める。

男の方へ走る、あちらもこっちへ走ってくる。


 男が振り下ろした右拳を左手を立てて受け流す、俺の右拳を顔面に打ち込む。

 男が放った左足の蹴りを右足で蹴って受け流す、俺の左足を顔面に叩き込む。

 

 男がよろける、右左右左右左右左右左右左、拳を顔面に叩き込む。


「はぁッ・・・。」


バキンッ 右ストレートが男の顔面に突き刺さる。


「ぶっぶぅっ・・・」


 男の顔が反対に向いて倒れる。


「ったく・・・汚い手で先輩に触るから・・・こうな・・・る。」


 膝から崩れてその場に座り込む。

手は傷だらけ、足はさっきの殴り合いで痛めたのだろう。

左足首が腫れている・・・もう立てない。


 這って先輩のところへ近づいていく。

木片が刺さっていく、それでも前へ。近くへ。


 彼女の頬に触れる。


「無事でよかった。今日だけ・・・は・・・あんたに触れても許されるかな・・・。」


 力が抜ける。

雪一の視界は暗くなっていく。

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