3.【激動の始まり1】
翌日、眠気眼をこすりながら会社へと出勤する。
扉に手をかけた瞬間に背後から来た他の社員に両腕を掴まれて連行される。
「この人畜無害そうな子羊の皮を被った狼、被告三船を連行しました!!裁判長。」
「なんですかいきなり!!」
「お前・・・昨日麗奈さんと出かけたか?・・・。正直に答えよ。」
僕は忘れていた・・・麗奈さんが社内で絶大な人気を持っていることを。
会社内では極秘裏に親衛隊なるものが作られている噂があったが・・・まさか・・・。
「我々麗奈親衛隊としてはその方を許すことはできんな。」
「「「「許すまじ三船」」」」
男性陣はこちらを羨ましさと恨みのこもった目で見てくる。
まさか目の前の彼らがその親衛隊だったのか!!
「裁判長!!俺に免じて許してやってください!!」
『竹田誠』先輩が僕の前に立ち塞がって泣きながら訴える。
「いやお前が街で見たって言ったから裁判してるんだろ?」
「あ・・・そうだった。すまん!!三船!!」
なんなのこの先輩!!一瞬かっこよかったのにあんたがこの状況つくったんかい!!
「ものどもかかれい!!とりあえず身包みを剥げい!!
麗奈さんから何かもらっているかもしれん、取り上げろ!!」
襲いかかってくる男達にもみくちゃにされていると、会社の扉が勢いよく開かれる。
「朝から何をやっているんですかー!!」
振り返ると麗奈さんが「もうっ!!」と言って腰に手を当てて立っている。
「いやこれは・・・」
「扉に鍵をかけてまで何をしているんですか!?課長!!」
「いや・・・三船君がね。」
「私が誰と出かけようと勝手です!!馬鹿なことやってないで早く仕事してください!!」
「「「「「は~い」」」」」
トボトボと帰っていく男性陣、僕も一緒になってその場から離れようとすると麗奈さんに首根っこを掴まれる。
「君はこっち。」
麗奈さんについて行くとそこには一人の女の子が立っていた。
女性用の制服に身を包んだの女の子。
赤くてすこしクセがある髪が長すぎず短すぎないくらいの長さで切られ、後ろ髪で小さなポニーテールが作られている。
身長は僕よりも少し小さいが・・・・でかい。
でもどこか見覚えが。
「今日から君が仕事を教える後輩ちゃんだよ。」
「『ナトレータ』って言います!!昨日は助けていただいてありがとうございました。」
(思い出した!!昨日ゴロツキに囲まれていた女の子だ。)
「そっか!!昨日は大丈夫だった?」
「おかげさまで大丈夫でした。道に迷っていたらトラブルに巻き込まれまして。
ところで、先輩のお名前は?」
「ああ、僕は三船春ニ。ようこそ『霧江大陸鉄道会社』へ。」
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