第5話 剣術

「はあああ!」


これで今日の素振りは終わりのはず。

まさか一日に一万本も素振りさせるなんて...


「シーさん、今日でここにきてかからどれくらいたった?」


「今日でちょうど一万年目です。良かったですね。おめでとうございます。」


は?

何がよかったんだ?

何がおめでとうございますなんだ。


「ふざけるのもたいがいにしろよ。」


「はて、何のことやら?」


「俺は忘れてないぞ。最初の頃はまだよかったが、だんだんと素振りの量が増えていき、今では一日一万本だ!しかも素振りしかさせてもらえないんだぞ!」


「よかったじゃありませんか、マスターの願いの強くなるということが達成できるんですから。それに、素振りは基本中の基本ですよ。」


「そ、れ、に、お前は俺が強くなるまでここから出られなくしたんだぞ!」


「いいじゃないですか。マスターは不老不死なんですから死にはしませんよ。」


何を言っても通じない。

なぜならこの空間の支配者はあいつだからだ。


「どうすればよかったのか?」


そうだ。俺があの時魔物に立ち向かっていたらこんなことにはならなかったんだ。


「だって俺、不老不死なんだもんね。襲われても死にやしないよ。」


そう、この忌々しいスキルのせいで苦しくても死ねないし、いくらでも動けてしまう。

今ではあの神の事を悪魔だと思っているよ。


するとシーさんが急に声をかけてきた。


「マスター、そろそろステータスを確認してもいいんじゃないですか。」


「唐突にどうしたんだよ。それに、そんなことしても意味ないよ。」


「なぜです?」


「だって、魔物を倒したことないんだぞ。」


「まあ、いいじゃないですか。」


「たくっ、しょうがないなぁ。」


『ステータス』


NAME 神白 優

LEVEL 0Lv

HP 1

MP 1

SP 1

STR 112200

ATK 10000

VIT 100

AGI 1000

DEX 100000

INT 100

LUK 1000

SKIL 

不老不死 修練の間 成長の加護 神白流剣術第一章


は?


「いやなんで、ステータス上がってんだよ。」


「それは、毎日何回も素振りしてたら上がりますよ。」


言われてみれば確かにそうだ。


「で、神白流剣術第一章ていうスキルは何だよ?」


「それは、毎日素振りをしていたので成長の加護の影響により、新たなスキルを覚えたということでしょう。」


そういうことか。確かに最近素振りを上手くできるようになってたけど...


「さぁ無事新しいスキルを覚えたことですし、トレーニングを始めましょうか。」


ん?嫌な予感が...

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