四章 名前のない(自称)神様
第45話(四章プロローグ) 涼乃
(……さて、抱きしめたはいいが、これからどうしよう…全くのノープランで来たからな…もう少し作戦でも練っておけばよかったか?)
―――
僕はこの時、こんなことを考えるのに夢中で、背後で起きていた変化に気づくことが出来なかった。
だから今こんなことをしているんだと思う。
「女神様ー!」「どうか俺にも天啓をー!」「何を言ってるんだ!俺が先だ!」
見渡す限りのたくさんの人。
そしてその多くがむさ苦しいおっさん。
そして……
「……この線からこっちには入らないでくださーい」
何故かイベントスタッフのアルバイトみたいな役割をしている僕。
(……どうしてこんなことになったんだろう)
話はヨシノちゃんとの再会まで遡る……
―――
「おーお熱いもんですね〜ヒューヒュー!」
それは突然現れた。
思わず後ろを振り向くと、そこには僕が前世で唯一愛した人そっくりの何かがいた。
姿形はその人に似ているが、部屋の光に反射して輝く銀髪。暖かな海を思わせるマリンブルーの美しい碧眼。そして何より宙に浮いていることが人間離れした神々しさに拍車をかけていた。
また、僕が「何か」と呼んだ理由は、それが宙に浮いているという点にあった。
明らかに人外である。
……そんなこと、頭では分かっている。それでも僕は愛しい人の名を呼んでしまった。
「……涼乃」
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