第40話 入れないなら
人間と戦闘をする際、相手が精霊を使役することはよくあることなのだ。
なんなら、精霊に任せっきりな人も少なくない。
そういう時はどうすればいいか。
――――簡単な話だ。
精霊を倒してしまえばいい。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「部屋に入れないなら、精霊を倒しちゃえばいいんじゃないって思う…。ししょー強いし。」
「……その手があったか!」
なんで今まで思いつかなかったんだろう!
「リン!君は本当に頭がいいな!」
「そ、そう…?そんなこと人生で初めて言われたけど…」
さあ、方法がわかったし。さっそく実践だ!
―――――――
精霊は強い。
なぜかというと、精霊は属性そのものだからだ。
例えば、火の精霊に火魔法を撃っても吸収されるだけだし、水魔法を撃ったとしても、半端な攻撃では効かない。大火事相手ににバケツリレーをしているようなものだ。
そんな特性から、前述したとおり精霊を使役する者も少なくない。
ただ、精霊を顕現させている間は決して多くはないものの、永遠に魔力を持っていかれる。
いわば、時計のようなものだ。
しかし、大魔法使いとまで言われたある伝説上の人物は、精霊と契約を結び、いつでも魔力を使わずに顕現させることができたという。
つまり僕が言いたいのは――――
(精霊を正々堂々倒せれば、無双出来るんじゃん!)
そう。
もしかしたら忘れていたかもしれないが、僕の夢は「異世界で無双すること」だ。
僕の行動原理のほとんどはそれであり、そのためにはなんだってする。
つまり、僕の中心には
そんなことを考えているといつの間にか僕の部屋に着いていた。
先ほど同様、闇の精霊が守護している。
ちなみに、闇の精霊がただの学生の部屋を守るなんてことは、空前絶後のことだろう。
(さ、早くぶっ潰すか…と、言いたいところだが)
「…君のご主人ってどこにいるか分かる?」
僕はまず、交渉から始めることにした。
―――――
ここで、僕の好きな言葉ランキングを紹介しよう。
まず1位は「異世界無双」だ。
同率2位で「夏穂」、「秋穂」、「冬穂」とあって、4位に「戦わずして勝つ」だ。
戦場において、勝つのは必ずしも腕っぷしが強いやつだけじゃないってことを体現した素晴らしい言葉だと思う。
真に強い者は、好んで戦わない。
これは常識。入試に出るよ?(大嘘)
さあ、僕の理想を体現しようじゃないか!
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