第33話 夏穂の嘘
「え……兄…貴?」
「………」
嘘だろ⁉
何で二人がこんな所にいるんだ⁉
「……見つけたよ、お兄ちゃん」
「冬穂……?何言ってるんだ?…っていうか夏穂……?」
さっきからずっと黙っている。
前髪で表情は見えないが、僕には分かる。
これは……夏穂が怒っているというサインだ。それも、ものすごく。
昔から変わっていないな…
って、成長に浸っている暇はない!
「落ち着け夏h「悪いけど黙ってくれる?」
「⁉」
夏穂がそう言うと―――僕は声が出なくなった。
――――
(夏穂side)
(ごめん、兄さん……)
巻き込まないようにするにはこうするしか無かった。
実は、私は
私の本当の能力は『
私が嘘で言った『
つまり、使い勝手で言えば魔法のないこの世界では最悪なのだ。
しかし、私は冬穂の能力を止めることで、その嘘を貫き通してきた。
でも、今は解放すべきだ。
私には分かる。今の冬穂は―――危険だ。
――――
【時は少し戻る】
「落ち着け夏h「悪いけど黙ってくれる?」
「⁉」
おかしい。僕の声が出ない。
出そうとしているのだが、全く出ない。
まるで喉で止まっている―――否、止められているみたいだ。
どうなっているんだ⁉
『今は忙しいから一言だけ。―――今回だけ特別だよ?』
ふと、頭の中に割烹着姿の少女―――ナスカの声が響いた気がした。
……ちゃんと男声変換してあった。
(そんな暇あんならもう少し気の利いた言葉掛けてくれよ!)
全く……結局あいつは何者なのか。
……いつか問い詰めてやる。
「……⁉」
そんなことを思っていると、急に頭の中に大量に情報が入ってきた。
「……………!!」
今はなぜか喋れないので、文字通り言葉にならない痛みだった。
無理やり言語化すると、まるで頭の中のものを無理やり押しのけられるような……そんな痛み。……意味がわからないが。
ふと、痛みが消えた。
そして、頭に流れ込んだ情報を理解した。
(何だよこれ!)
それは、夏穂たち三姉妹の固有魔法の能力と、僕の新しい能力だった。
しかし、能力を得たものの、残念ながらこっちの世界ではあまり役にたたなさそうだ。
しかし、こんなことはできる。
(『
これは夏穂の能力、『
マリオネットオペレーター》』の再現だ。
せめてこれがあれば今にもぶつかりそうな
そう思っていたその時。
「兄貴……大丈夫っすか?」
「……秋穂」
ごめん、すっかり忘れてた。
「兄貴〜絶対に忘れてたっすよね〜?」
「……ごめん」
「まあ良いっすよ。……兄貴、私が二人を止められる術を持ってるって言ったらどうするっすか?」
「……まじ?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
まだ夏穂の真の固有魔法の説明は入れません。
え?理由?
……ちょっと今は早く次話を書かなきゃいけないからです!
急に異世界旅路録の更新が早くなって、追い抜かされたんですよね…
異世界旅路録〜異世界に飛ばされたけど勇者の仕事ほったらかして旅行しようと思います〜
https://kakuyomu.jp/works/16816927860790673926
世界線が繋がってますので、こちらもよろしくおねがいします。
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