閑話 年相応の女の子

僕は気づいたら真っ白い空間にいた。

そして目の前には何故か割烹着を着た


『やあシガン・シナク君。元気にしてたかい?』


声、男やないか!


『……あんた誰だよ?そもそも僕はシガン・シナクじゃない。西野春葵だ。』

『ああ〜そういえばそうだったね〜うん。(割烹着にはツッコまないんだ……)』

『…悪いけど、見え見えのツッコミ待ちは無視していくスタイルなんだ』

『そ、そっか……』


ん?最初の「そ」だけ妙に声高くなかったか?


『……で、あんた誰だよ?』

『ここは精神世界。急いで作ったから、上級魔法でもぶっ放されたら壊れるけどね。』

『質問に答えろ!……ふざけてんのか?』

『お〜怖い怖い。…さて、が君の本性かな?』

『…………』

『肯定、と受け取っておくよ。いつもは上手く演技してるようだね。君の妹たちヤンデレにもバレていないようだし……将来俳優になったらどうだい?』

『……何が言いたい。』

『君さ、なんか違和感ない?』

『……違和感?』

『だから〜なんか君の知ってる世界と違うよねってこと。』

『……それがどうした?それぐらい気づいてる!』

『なんだ〜君も分かってるじゃ〜ん。だからぁ……わた…俺が言いたいのは〜?』

『もったいぶるなよ!』

『――――君がいる世界は造られたものだよってこと!』

『それってどういう―――』

『残念。時間みたいだ。……もう少しお話したかったなぁ…』

『え?お前、声が…』


刹那、空間が壊れた。文字通り粉々に。


『最後に言っておくと、俺――私の名前はナスカ。覚えといてね?』


最後の一言は、年相応の女の子の―――可愛い声だった。

そして、浮かべていた表情は、寂しげだった。


―――――という夢を見た。


「やけにはっきりした夢だったな…」


僕は基本的に夢は忘れるタイプだ。

でも、今回は覚えている。


(っていうか……夢にしては、向こうがリアル過ぎだよな…)


偶然である可能性が高いと思う。

ただ――――必然であるならば。


(一応考えておくか…)


時計を見てみると、5時半を回ったところだ。


(二度寝……かな。)


あんな夢を見た後なのに、不思議とすぐに寝付くことが出来たのだった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

なんか同じ世界で別の物語があるらしいですよ。

異世界旅路録〜異世界に飛ばされたけど勇者の仕事ほったらかして旅行しようと思います〜   

      https://kakuyomu.jp/works/16816927860790673926


「異世界旅路録」と進捗調整するのめんどいなぁ…

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