第27話 把握

それから何事もなく学校での時間は過ぎていった。

最後の授業が終わり、帰ろうとしたらなにやら後ろから衝撃が。


「待って。お兄ちゃん…」


冬穂だった。


「夏穂と秋穂は?」

「先生から呼び出された。『待ってて』って言ってた。」

「なるほど。じゃあ校門の辺りで待っておこうか」

「…うん。」


校門で待つこと5分。

用事が終わったのか、二人が小走りでやってきた。


「ごめんね兄さん。待たせちゃって。」

「兄貴、待たせて申し訳ないっす。」

「いや、いいよ。じゃあ帰ろっか。」

「……もう少しゆっくりでも良かったのに。」

「ん?どうかした?冬穂。」

「…なんでもない」


三人と一緒に帰っている途中、僕はとてつもなく嫌な予感がした。


「ごめん。…ちょっと公園寄ってもいいかい?」


三人の了承を得ると、僕たちはベンチに座った。


「急に『公園に寄ろう』だなんて兄貴…どうしたんすか?」

「……わからない。だけどこうしないといけない気がしたんだ。」


ただ分かるのが、


しばらく公園で休み、また僕たちは帰り道を進む。

すると、途中に事故現場があった。

トラックが電柱に激突したようだった。

救急車が到着したばかりっぽく、おそらく発生してそれほど時間は経っていないのであろう。


運転手と思われる人物が担架に載せられて運ばれてゆく。

そして僕は


(あいつ………!)


しかしそれは明らかに矛盾している。

当たり前だが、後ろを振り向けば五体満足の状態で三人は生きているのだ。


「お兄ちゃん…?すごい顔してるけど大丈夫?」

「…!ああ……ありがとう。」

「……?…うん」


冬穂の声で僕はなんとか正気に戻る。


この時には僕はもう全てを思い出していた。

自分が一度死んでいることを。。その全てを思い出していた。


そしてこの時の僕は知らないし、これからも知ることはないだろう。


――――自分の中で何かが消え去っていることを


―――――

家に帰ると、まずは自分の部屋に戻った。

西

見た所、前世の僕の部屋と変わらないように見える。…まあ僕なんだから当たり前か。


ただ、本棚に並んでる本が違うことに気がついた。

参考書ばかり並んでいる。前世の僕はオカルトのものばかりあったからな…

……あれ?。……思い出せないなぁ。


その他は……せいぜい少し配置が違うだけか。

このことから、

しかし……何かが見当たらないような気がするけど…。気のせいかな。


そうこうしているうちに、秋穂が「ご飯っすよ〜」と呼びに来た。僕は一旦作業は切り上げて、食卓へ向かうのだった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

タイトル詐欺はしばらく続きます。


多分意味がわからない内容だと思いますが、後々分かると思います。

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