第26話 分かってる
『現時点での設定集②』の一部を変更しました。
今回から行間の空け方を変えてみます。
見にくかったら戻しますのでお気軽にどうぞ。
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いつもどおりの、高校近くの交差点に僕―――西野春葵はいた。
そして制服を身に着けている。
目の前には三人の美少女―――夏穂たち三姉妹がいた。
さすがは我が妹達。
制服がよく似合っていて、かわいい。
改めて彼女らを見るとやっぱり思う。
(やっぱり美人に育ったよなぁ〜)
年は2つ違いとはいえ、ちっちゃかったあの頃が懐かしい。
「兄さん!早く行くよ!」
「兄貴〜何してんすか〜」
「どうしたの?…お兄ちゃん…」
過去に思いを馳せていると、当人たちがが急かしてくる。
「はいはい。今行くよ。」
そうして僕は小走りになって三人に追いつく。
三人の横までくると、冬穂がそれとなくくっついてくる。かわいい。
あとの二人も負けじとくっついてきて、非常に微笑ましい。
これは兄というよりも父の気持ちに近い気がする。
三人とも早く彼氏でも作って欲しいというのが本音だが、こんな様子を見るとその気持ちが揺らいでしまいそうだ。
(……何かがおかしい。)
「……え?」
僕は驚きの余り止まってしまった。3人は何事かという顔をしている。
…なぜだろう。
なんで僕は『何かがおかしい』なんて思ってしまったんだろう。
こんなに幸せな日常がおかしいはず無いのに。
「……なんか今日はおかしいっすよ、兄貴。体調でも悪いんすか?」
「いや……大丈夫」
なにもおかしくないはずなんだから。
そして僕はまた歩き出そうと―――
『ししょー!』
ああ。リンか。
……リン?…誰だそれは?
すると、僕の脳裏に銀髪の少女が浮かぶ。
妙に既視感がある気がするけど、僕は知らない。知らないはずなんだ。
(なにかのアニメのキャラかもしれないな)
僕はそう思うことにした。否、そう言い聞かした。しかしなぜだろう…そういうことにしてはいけないような気がした。
それから訝しげな視線を三人から浴びるも、僕はなんとか誤魔化して学園に向かった。……学園?
しばらく進むと、校門が見えた。
そう。カイセイ・ナダ・ラサール学園……じゃなくて市立天ヶ瀬高校だ。…っていうか『カイセイ・ナダ・ラサール学園』?
どこだよそれ。そんな学校聞いたことがない。聞いただけで頭が痛くなりそうな学校名だ。中学時代どれだけそれらの学校を勧められたか。正直嫌な想い出しか無い。
校門近くまで来ると、学校に登校してくる生徒がたくさんいる。その中には男子生徒も多いわけで…
「「「「チッ!」」」」
僕は
なんかこの感じ懐かしいなぁ…
……懐かしい?
どうも今日の僕はおかしい。
いつも感じるはずのことが懐かしくてしょうがない。
僕はただならぬ不安を感じながら、教室へ向かう。
『シガン様』
ふと、脳裏に綺麗な黒髪の少女が思い浮かんだ。
(見たことがない……はずなんだ。)
僕はまた自分にそう言い聞かす。
……知ってるよ。
本当は分かってる。この体が僕のものじゃないってことぐらい。
それでも―――
(僕は、絶対に止まらない。)
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こんにちは。椛みさかです。
ここからは今までとかなり毛色が違います。
しばらくタイトルとは関係のあるようでないふうに展開していきます。
なので、今までの話に少しでも魅力を感じていた方にはがっかりさせるかもしれませんが、どうか次の章までどうか暖かい目で見守ってほしく存じます。
あまり今章は長くならない予定です。
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